【海外サッカー】ニュージーランドのサッカーニュース<番外編> National Leagueに高橋秀人選手スタメン出場!Auckland United開幕戦

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3月25日土曜日、今年のニュージーランドサッカー国内リーグ「National League」が開幕した。

開幕戦であるRound 01では、Auckland UnitedはTakapuna AFCと対戦。

チームのSocial Mediaでフォーメーションとともに出場メンバーが事前に発表され、高橋秀人選手はスタメンで出場。

National Leagueの開幕戦ということで、いつもは駐車場に余裕があってのんびりとしたKeith Hay Parkも混み合っており、空きを見つけるのに少し時間がかかるほど。と言っても、日本のJリーグのような混雑はなく、子どもたちが試合グラウンドのそばで走り回っているような和やかな雰囲気である。クラブハウスにはカフェテリアがあり、冷たい飲み物やケチャップをたっぷりかけた厚切りのフライドポテトを持った観客が、試合が始まるのを楽しみに待っていた。

さすがニュージーランド、両チームとも多種多様なバッググラウンドのサポーターたちが来場していたのが印象的である。

秀人選手は入団早々からU13アカデミーの子どもたちの試合も監督しているため、ローカルの教え子たちも応援に駆けつけてきていたのが微笑ましい。

ニュージーランドのサッカー国内リーグ「National League」 高橋秀人選手スタメン出場!

試合開始直後から、真剣にチームメイトに大声で指示出しをする秀人選手。身体の大きなニュージーランドのサッカー選手たちの中にいても秀人選手は体格的に引けを取らず、高いボールの競り合いでも正確なタイミングとジャンプ力で常に競り勝つ姿に期待が高まる。DFに近いやや深いポジションで守備的MFの役割に徹しつつ、味方からの難しいボールには足に吸い付くようなトラップで敵につけ入れられる隙を作らず、なめらかなボール運びから前線につなげ、決定的なチャンスを生み出す流れを感じさせた。

真剣にチームメイトに大声で指示出しをする秀人選手
高いボールの競り合いでも正確なタイミングとジャンプ力で常に競り勝つ姿に期待が高まる。

しかしながら序盤以降、秀人選手への相手チームからのマークが徐々に激しくなっていきフラストレーションの溜まる展開に。前半の終了間際には相手チームがゴールに迫りこのままでは失点かという場面に。相手のチャンスを潰すFWへのコンタクトがイエローの判断となり、秀人選手は今期一枚目のカードを出されてしまう。正当なコンタクトだったとチームメイトも秀人選手も審判にアピールするものの、カードは覆らず、そのまま試合続行。フリーキックを手堅く守り切ったところで前半終了、0ー0で折り返す。

秀人選手への相手チームからのマークが徐々に激しくなっていく
フリーキックを手堅く守り切ったところで前半終了

ハーフタイム中のミーティングで修正指示があったのか、後半に入りAuckland Unitedの前線が上がっているのが見てとれた。GO Hide!の声援を受けて、秀人選手も前へ出ていき、全体的にAuckland Unitedが押し込む時間帯が増えていく。ボール保持率が高く、FWのザック選手、ザビア選手へのボールの供給から何度もチャンスが生まれる展開へ。相手からの当たりは後半になってからも変わらず強く、秀人選手は後半の半ばで交代へ。その後FWのジョシュ選手が中盤からのパスを受けて角度のないところからのシュートでついに先制!その後も猛攻を続けるも、追加点とはならず1−0での勝利となった。

試合後はチームで円陣を組んで振り返りを行い、選手たちはフィールドでお互いに語り合う

試合後はチームで円陣を組んで振り返りを行い、選手たちはフィールドでお互いに語り合う。ひと段落するとローカルサポーターがどんどんフィールドへ入ってきて、プレイヤーに話しかけチームを労っていたのが印象的だった。

試合後、秀人選手に試合についてうかがうと、「プレーを振り返り、修正していくことでニュージーランドのサッカーはもっと技術が上がるし、観客を魅せるものになっていくはずです。ボールポゼッションだけで満足せずに、相手からもどんどんボールを奪い、ゴールやシュートの数をもっと増やしていく。お客さんが嬉しいのはゴールで、それを期待して見に来てくれている。ボールボーイとしてユースの子たちが手伝ってくれている中、『こういうプレーができるようになりたい』と、子どもたちが夢や希望を持てるようなプレーをクラブチームの顔である僕らファーストチームは見せていきたい」と、プロとしてただ勝つだけではない、さらにその上も目指す意志の強さや、未来のプレイヤー育成を考えた熱い責任感をのぞかせてくれた。

National Leagueは毎週のように試合があり、Regional Phaseは基本的には入場料無料で気軽に観戦できる。また観戦だけでなく選手とのコミュニケーションを含めてオープンにサッカーを楽しめるのはニュージーランドならではと言えるかもしれない。

GekkanNZ4月号のサッカーニュースにて、ニュージーランドのNational Leagueの詳しい解説を掲載予定なのでチェックを。週末はぜひ地元チームを応援に出かけよう!

Photo & Text: GekkanNZ Emi Sakai