一年草扱いって?

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭とLIFESTYLE

植物はそのライフサイクルによって、一年草、二年草、多年草に分けられます。1年で発芽、成長、開花、種をつけて枯れるのが一年草。種を蒔いたその年は発芽、成長し、年を超えて2年目に開花、種をつけて枯れるのが二年草。そして、数年にわたって生育、何度も開花し種をつけるのを繰り返すものを多年草と呼びます。その多年草の中でも一定期間、多くは冬の寒い時期に地上部分を枯らすものを宿根草と呼びます。で、時折日本には一年草扱いなんて呼ばれる植物が存在します。

秋はプリムラの株分けシーズン
カラフルな花色のプリムラ・ポリアンサ。
カラフルな花色のプリムラ・ポリアンサ。秋冬にかけて華やかな花壇を演出してくれる。

さて、どんな扱い?主に原産地などで多年草ですが、日本では基本的に越冬もしくは夏越しできず1年でそのサイクルを終える植物を「一年草」という扱いで販売、流通しているものがそう呼ばれています。だからこちらに移住して、実は一年草じゃなくて一年草扱いだったと気づくカルチャーショックが、たまにあるんです。

私にとってプリムラが、その1つ。蒸し暑さ、そして冬の寒さにも弱いこの花は、日本では冬の寄せ植えや花壇に使われる定番の花です。冬に楽しんだ後は、枯れるのが当たり前だと思っていたんだけど、、、義理の両親の庭でずっと元気なプリムラを見て、始めて一年草扱い植物だったと気づいた訳。ちなみに、プリムラには色々な種類があるんだけど、日本で寄せ植えの定番で扱われているのはプリムラ・ジュリアンが多いかな。プリムラ・ジュリアンは、プリムラ・ポリアンサとプリムラ・ジュリエの交配園芸種で、花茎が短くコンパクトなのが特徴。プリムラは花期も長く簡単に育てられるから、もし興味が出た人は、今年の秋冬あたりから育ててみては?でも、まだ気が早いかな?


Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本では園芸業界に長く関わりガーデンデザイナー、イラストレーターとしても活動。NZ移住後も日本園芸雑誌にコラムやイラストを描きつつ、NZ国内でもガーデンデザイナー、ガーデナーとして活動。クライストチャーチ近郊在住。
【ブログ】naomigarden8.com