何事も早めの準備が大切

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭と LIFESTYLE

2022年3月号掲載

いきなり早めの準備が大切、なんてちょっとハードルを上げてしまったけど、この植物ばかりは早めの準備が欠かせない。秋を感じ始めると私の頭にはこの言葉が浮かんでくる。その名も「秋植え球根」。チューリップやスイセン、ムスカリ、アネモネ、シラーやブルーベル、クロッカス、ユリなど秋に植えて翌春に花を楽しむことができる球根たちをそう呼ぶ。あの可愛らしい球根たちが寒い冬を超えてむっくり芽を出す瞬間。生命力あふれるあの姿を思い出すだけで幸せな気持ちになるのは私だけ? 林床に広がるブルーベルや川沿いのスイセンロードの良い香り。ああ、なんてロマンチックなのかしら!

ビオラを配置しチューリップの球根をばらまく。一年草があれば開花まで寂しくない

話は戻り、そもそもなんで早めの準備が必要かって? それは花を咲かせるためには寒さに当てなければならないから。

秋植え球根の多くが、ある一定期間冬の寒さを感じることで、花芽を形成するという性質を持っているのがその理由だ。

さて、これから秋植え球根を植えようとお考えの方。自然な雰囲気に植えたかったら、ばらまき作戦をおすすめしたい。つい直線や、千鳥に規則正しく並べたくなるかもしれないけれど、ここは気前良くパラパラと地面に蒔いてみよう。そして球根の落ちた所を掘って植える。こうすると自然に生えてきたような感じになるから不思議だ。でもね、何より一番大事なのは植える時期を逃さないこと。脂の乗ったブリや甘い大根に寒さが必要なように、可愛らしい球根の開花にも寒さが必要。そのための早めの準備、今年はちょっと頭の片隅に入れておいてね。

Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。

【ブログ】naomigarden8.com

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