真夏の洗礼「乾燥」への対処法とは

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭とLIFESTYLE

2021年12月号掲載

夏と言えば乾燥。でも少し工夫するだけで緩和できる。まずはマルチング。土がむき出しになっているより断然乾燥しにくい。種が混じっていると草が生えてきて大変なことになるので、種の付いていない刈り草やピーストローがおすすめだ。ウッドチップや芝の切りカスでも良い。これらは湿気を保つのと同時に病気伝達の原因になる土の跳ね返りを防いでくれる。マルチは乾燥防止と病害虫防止の意味でも効果があるのだ。 そして水をあげる時はたっぷり! これも大切。鉢植えだったら鉢底からしっかり水が出るくらい。でもね、あげればあげるだけ良いという訳でもない。特に鉢植えは必ず土が乾いてからあげるように。なぜって、乾湿のバランスがあることで根は成長するのだ。

適切に植えることって実は大切!

菜園のマルチング
菜園のマルチングに干し草を敷き、水やり軽減に成功

セールの誘惑にも注意が必要だ。

安いからって真夏に新たに苗をたくさん植えるとどうなるか? 乾燥しやすく雨も少ないこの季節、だらんと葉を垂れたその子を見るたびに、急いで水やりに走る忙しい夏を送ることになる。50%オフという誘い文句に衝動を抑えられず、結果ニュージーランドの真夏の洗礼を受けたのは、誰でもない私なのである。雨の増えてくる秋口まで待ってあげるだけで随分違う。どうしても植えるならば、裏技がある。葉の蒸散を抑えるために、植えた苗の地上から半分〜⅓をハサミでカットする。ただ、葉がなくなる程切ったら逆に枯れちゃうから注意しよう!

でも、最終的には時期に従うのがガーデニングを成功させる1番のコツ。無駄な頑張りほどつらいものはないのだ。

Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。

【ブログ】naomigarden8.com