犬のかみつきに注意!犬の飼い方、接し方を見直そう

犬の飼い方、 接し方を見直そう LIFESTYLE

ニュージーランドにも愛犬家はたくさん。
犬の散歩は近所同士の付き合いにもなり、よくある日常シーンだ。
しかし、かわいい犬たちとの触れ合いが、一転して大けがを負ってしまうケースもある。
どうしたら防げるのだろうか。

相次ぐ、犬による襲撃事故

昨年4月のロックダウン中には、犬の散歩に出る人が増え、犬の攻撃的行動が多発した。敷地から飛び出し、散歩中の犬や人を襲う件数が昨
年比倍増した地域もある。各地のカウンシルは、リード不要の公園でも必ず着用することを呼び掛けていた。動物心理学的には、飼い主の人
を避ける様子やいつもと異なる環境への困惑を感じ取り、同調して防衛的になっているからだという。しかし、犬による襲撃事故は、ロックダウン中に限らない。この20年間近く年々増加している。

10月末、ハミルトン郊外で起こった痛ましい事件が報じられた。赤ちゃんが自宅で飼い犬のロットワイラーに襲われて亡くなった。母親が
トイレに行っている間に起こった事件だ。犬は赤ちゃんをおもちゃだと思い、庭に引きずり出し土に埋めようとしたのだという。12月にはオークランドで、ポメラニアンがリードでつながれていないスタッフォードシャーテリアに襲われた。ポメラニアンは飼い主と近所を散歩中、通りかかった男性の背後から飛び出してきた犬に引っつかまれ、振り回され、死に至ってしまった。男性は自分の犬を抑えて叱りつけたが、それ以外は何もしなかったという。

これまでにも、公園や通学路で犬に襲われる事故が後を絶たない。飼い主が現場にいない、逃げてしまうなど無責任な対応も目立つようだ。

ACCへの犬の襲撃によるけがの申告件数(2001~2018年6月)
Dog Control Statistics 2020/ Department of Internal Affairs
犬の襲撃による医療施設入院件数
(2017年6月までの、年齢と性別による数)

攻撃防止は飼い主の責任

犬がかみつくのは、優位性を主張して戦う本能でもあるが、病的状態や扱いきれない場合が原因ともされる。飼い主は飼い犬に対して法的に
責任がある。第一に、飼い犬が相手を傷つけていないか、怖がらせていないか、困らせていないかに気付くことが必要だ。そして飼い犬を常にコントロールできるようにすること。
自宅の敷地外に出たらリードをつけ、むやみに他人に近づけさせないことを心がけたい。敷地外に犬が勝手に出られないような対策も求められている。子どもやほかの犬とどう接すればいいのか、社会性を身に着けさせることも攻撃防止策となる。飼い犬の態度に対しての悪い評判や不満を聞いたら真摯に受け止めて、改善策を考え、犬を嫌いな人や怖がる人もいることを忘れてはならない。

よくしつけられた犬は、飼い主の家族の中で服従するべき立場であることがわかっている。しかしそのような犬でさえ攻撃的な行動に戻って
しまうことがある。逃げられないように抱きつかれたりして恐怖を感じた時や、テリトリーや食べ物、おもちゃ、子犬が脅かされたと感じた時、騒音や動きに興奮した時などだ。そこで、犬が発するシグナルを理解し犬を攻撃的にさせないための自衛策を知っておきたい。

特に幼児・子どもは注意を

多くの犬の襲撃事故は子どもに対して起こっている。自宅、親せきや友人の家などの知っている犬からも襲われる可能性がある。子どもは無
意識に攻撃を呼び起こしてしまうからだ。子どもは犬のおもちゃを取り上げてしまったり、ハグやキスをする一方、犬はたわむれるつもりで子どもに飛びかかったり追いかけたりもする。また犬は小さい者に対して支配的にふるまおうともするのだ。とりわけ幼児は、危険に対する認識もなく、体が小さいため攻撃されやすい。たとえ子犬でも近くにいたら必ず保護者の監視下に置こう。犬の顔より下に子どもの顔を持っていかない、ハグやキスはさせない、犬の食べ物や食器、おもちゃ、寝床で遊ばせないなどの注意が必要だ。

小学生でも、まだ犬のかみつきに対する危機感は薄い。犬が近くにいる時はどう遊べばよいか、どう行動すればよいか、犬が怖い時はどうす
ればよいかを教えることが大切だ。そして犬をなでたい時は飼い主に聞くよう伝えておこう。

散歩時の自分の犬を守る方法も知っておきたい。攻撃的な犬の気をそらすために、つえや犬用のおやつを持参すること、リードにつながれていない犬と会ったときは、反対の道を通ること、攻撃的な犬の視線を遮るように自分の犬の前に立ち、大声でノー!とどなるなどだ。

犬が攻撃的になっているシグナル
  • 首や背中の毛が逆立ち、つま先立ちになり、大きく見せている
  • 歯をむき出しにしている
  • 吠える、またはうなっている
  • 耳を後ろに倒している
  • しっぽが立っている
  • 威嚇するものを凝視している
威嚇する犬
対応策
  • 威嚇することを邪魔するように、アイコンタクトを避ける
  • 動かずに上から見下ろし、腕は前に出しておく
  • 背中を向けずにゆっくりと犬の横をすり抜ける

もし襲われたら

攻撃されてしまったら、大声で助けを呼ぶこと。犬と自分との間に、バッグや自転車、ボール、傘、洋服、車のドアなど障害物を挟むようにできるとよい。押し倒されたら、両腕を頭の後ろに回し、顔を伏せうつぶせになり、じっとしていよう。

犬にかまれると感染性創傷の原因となるため、小さな傷でも病院等で手当てを受けることが勧められている。抗生剤を処方されることもある。出血時はしっかりとパッドで押さえ、せっけんをつけてぬるま湯で流すか、生理食塩水できれいにし、すぐに受診することが大切だ。

自分の犬が攻撃された、犬同士がけんかをした場合の対応策はこうだ。かまれてしまうため、両方の犬の間に手を入れないこと。リードを放す、またはリードをグイっと引っ張り「ノー」と制する。この後に「ヒール」の指示をするのもよい。頭から水をかける、または服やコートを犬にかぶせて錯乱させるほか、驚かせるために、音の出るものを投げる、頭の近くで大きな音を出すのも効果的だ。

各地でキーウィやブルーリトルペンギンが、コントロールされていない犬に襲われる事故も頻繁に報告されている。事故を起こした犬の飼い主への罰金が定められ、攻撃した犬は殺処分などの対処がなされることもある。まずは飼い犬をコントロールすること、そして犬の前での小さな子どもへの用心が求められている。

犬に襲われないための7か条

参考:www.dogsafety.govt.nz

取材・文 GekkanNZ編集部
2021年3月号掲載

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