かつてのように人並み外れた学力や財力がなくても留学が可能な時代。留学を成功させるために必要なことは何でしょうか。
前回のコラムで、ニュージーランドは日本からの留学先としてとても良いと書きました。事実この国は留学生の受け入れに積極的であり、国際教育業界は全産業界で一定のウエートを占めるまで成長しています。しかし、そもそも留学することに果たして意味があるのでしょうか?
目標を持って留学しよう
私の勤務先の学校は留学生の比率が高く、約60パーセントが海外からの学生です。ここで留学の意味を否定するとビジネスが成り立たたないので(笑)否定はしません。ただ「何しにニュージーランドに来たの?」と思ってしまうケースがあるのも事実です。留学を意義あるものにするために必要なことは何でしょうか。
例えば、日本での学校生活に何らかの問題があってニュージーランドに留学してくる生徒がいます。それが生徒により良い未来をもたらすのであれば素晴らしいことです。ただし「なんか留学の方が楽そうだから」という考えで入ると、良い結果は得られないでしょう。むしろ「自分はより苦しい道を選んで進もうとしている」という意識を持たないといけないと思います。ニュージーランドに来てからでも何らかの目標を見つけ、挑戦すること。単純ですが、モチベーションを持って努力する意思が一番大切ではないでしょうか。
目的に合った学校を選ぶ
保護者にできることは何でしょうか。これも単純かもしれませんが、子どもにとって最もふさわしい環境を選ぶことではないかと思います。高校生とはいえまだ子どもですので、どうしても周りの影響を受けてしまいます。子どもが努力して伸びようとするなら、それをサポートしてくれる教育機関を選ぶことが大事です。
例えば、勉学の成績は二の次、というような学校に身を置くと、勉学面に力を注いでも教師、友達から正当に評価されないこともあるでしょう。それでは、子どもがかわいそうですよね。逆に「留学の方が楽そう」から抜け出せないと思うのならば、それはそれ。のびのびできる学校を選べば良いでしょう。子どもに合った学校選びは、保護者にこそ考えてほしいと私は思います。
Keishi Nakamura
中村 敬志オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。
オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)
【所】37 Heaphy St., Blockhouse Bay, Auckland
【Ph】09-921-4502(日本語直通)
【営】8:00~17:00【休】土・日曜
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2019年4月号掲載