採掘者のレタス?

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭とLIFESTYLE

以前からどうにも名前が分からない雑草の名前をようやく突き止めた。しかもどうやら食べられるらしい。その名もマイナーズレタス“Miner’s lettuce”。我が家の庭の少し日陰の湿った場所にたくさん生えている。以前どこかで見かけた時から名前が分からず、ずっと気になっていた。特徴的な丸い葉っぱとそのまん中から花茎が伸びている、個性的な見た目の植物だ。今まで日本では出会ったことはなかった。これは北アメリカ原産のいわゆる帰化植物で、ゴールドラッシュの時代に多くのビタミンCを含むこの野草が採掘者たちに好んで食されたところから名付けられたそうだ。

似ている植物の誤食には気をつけよう
マイナーズレタス
多くの植物は開花すると葉や茎が硬く苦くなるが、マイナーズレタスは開花後も食べられる。

先日まで抜こうかと思っていたが、食べられると聞いたら俄然興味が湧いてきた。私の中で雑草という扱いから、少しランクアップして野草となった。さて、そのお味はというと、少し肉厚の葉はシャキシャキとした食感で、爽やかなリンゴとレタスを合わせたような味だった。サラダとして生で食べるのに悪くない。でも、正直に言うと好んで食べたいものではなかった。ただし、ビタミンCの含有量がかなり多いと聞いたので、もし食糧難になったら迷わず食べようと思う。実際このマイナーズレタスのように食べられる野草というのは、案外身近にたくさんある。オニオンウィードはNZで見られる食べられる野草の1つだ。ニラのように使えて美味しく、白い花も可愛い。だたし、野草を食す場合は確実に知っている物のみにしよう。オニオンウィードに似たスノーフレークのように、案外有毒植物も身近にたくさんある。

Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。

【ブログ】naomigarden8.com

2023年11月号掲載