【ラジオプロデューサー/パーソナリティー】バイリンガルラジオ番組で文化を発信 ー 晝間さん

ラジオプロデューサー/パーソナリティー 晝間尚子 さんBUSINESS

追記更新:09.02.2023

大学時代にキウイの教授の影響でニュージーランドに興味を持ち、日本で英語力を伸ばしてニュージーランドに移住した晝間さん。

ニュージーランド南島最大の都市クライストチャーチで放送の日本語/英語バイリンガルラジオ番組「Japanese Downunder」のラジオ局で働きながら、ご自身でも留学会社の起業やYouTubeチャンネルでの発信など様々な活動をしているなかで、仕事の魅力ややりがいなどについてお話しを伺った。

Q. ニュージーランドへ来たきっかけは何ですか?

大学時代マスコミ学科で学んでいた時に、キウイの教授から英語を学んだ影響でとてもニュージーランドに興味を持っていました。
研究室に貼ってあったミルフォードサウンドやテカポのポスターを見ながらいつか行きたい!と憧れて。在学中に教授が生徒数人を連れてウェリントンからクライストチャーチまでレンタカー旅行に連れていってくれた時からすっかりNZファンになっていました。

Q. ラジオ局のお仕事を始める前はどのようなお仕事をされていましたか?

将来ニュージーランドに移住したいと学生時代から考えていたので、将来移住、起業した時に役立つ幅広いスキルを身に着けたいと考え仕事を選んでいました。ラジオ局やウェブデザイナー、ディズニーランドでシンデレラ城ミステリーツアーのガイド、成田空港でほぼ英語で働くなどの経験があります。

Q. 現地ラジオ番組のパーソナリティーとして働く上で、英語力はどのように身に付けましたか?

大学を一年間休学しニュージーランドにワーホリで行った当時、語学学校ではプリインターミディエイトのクラスに入り、なんとか意思疎通が出来るレベルからスタート。1年間NZで積極的に学びました。ワーホリの1年間が英語の土台となりましたが、意識を入れ替えて英語をしっかりと学び始めたのはワーホリを終えて日本へ戻ってから。再びNZへ渡航して移住するまでの6年間、日本で英語力を伸ばしました。

日本の英会話学校に通ったり、英語学習グループを自ら地元で立ち上げ、ネイティブの先生を公民館に呼んで英語でプレゼンテーション、ディスカッションするグループで学んだりと毎日働きながら英語学習のことは常に頭の中にありました。

いろいろ試した中でも、一番役に立ったのは英語指導専門家の個人レッスン、カフェなどでのレッスンは効果がありました。値段がそれなりに高くても、文法指導やスピーキングで間違えの訂正など的確にしてくれモチベーションが上がり良かったです。

英語試験に向けた学習は特別にしていなかったのですが、モチベーションアップのため、また英語力が上がっているか簡単にチェックするために1年に1度TOEICを受け、日本にいる間に300点以上アップしました。

Q. ラジオパーソナリティーを始めた経緯について簡単にお聞かせください。

大学ではマスコミ学科で主にラジオについて学んでいたこと、日本でもラジオ局で働いていた経験もあり、ワーホリ帰国後も英語を学び続けていたことなどがニュージーランドでの就労機会につながったと感じています。大学の学部と仕事内容が一致しているのも、その後の移住に大切な要素でした。

Q. 「Japanese Downunder」は日本語/英語バイリンガルラジオ番組ということですが、簡単にどのような番組かご紹介ください。

文化の違いを取り上げたり、地元のイベントについてインタビューしたり、選挙が近くなれば選挙委員会の方に投票方法を説明してもらったりと、英語、日本語を問わず様々なトピックを取り上げています。ニュージーランドに興味がある方、日本語を聞きたい方どちらにも楽しんでいただける内容作りを目指しています。

ニュージーランドラジオアワードを受賞
ニュージーランドで最も権威のあるニュージーランドラジオアワードを受賞したことも!

Q. ラジオパーソナリティーとして働くなかでの楽しさや魅力、やりがいについて教えてください。

ひたすらパソコンでオーディオの編集をしたりとデスクワーク中心ですが、クライストチャーチ大聖堂広場から公開生放送したり、地域の学校と関わったり、街中でインタビュー、取材したりすることでたくさんの人と出会い、インスピレーションを受けています。

ラジオ番組制作だけではなく、オンラインラーニングやイベント、博物館などで使われるオーディオの外注を請け負うなど毎日が違っているところが魅力です。

Q. また反対に大変なことや難しいと感じる部分はありますか?

仕事を始めた当初、英語ネイティブではないのは私一人で、積極的な発言を求められる会議などで焦ることもありました。

就職して5年も経った頃には他のエリアのラジオ局に一週間出張、そこで使われている新システムについて学び、そのシステムを導入するのか検討して報告するような仕事も一人で任せてもらえるようになりました。

Q. ニュージーランドと日本での働き方の違いなどはありますか?

ニュージーランドでは職場での上下関係があまりなく、ボスの家でBBQ、会議中にスコーンやフルーツなどを食べてもOKなど、より伸び伸びと自分らしく働いているように感じます。有休休暇の取りやすさには感激でした。

ラジオ局でウイッグをかぶって出勤しよう!という日のもの。
ゲストが驚いたり面白いのではないかという発想でこの格好で真剣に仕事をするのは新鮮で楽しい。

Q.お仕事にコロナでの影響はありましたか?

新型コロナは、とても大きな変化のきっかけになりました。以前から新しいことに挑戦したい、スキルアップしていきたいと思っていたのですが、新型コロナで国境が閉まり、新規留学生が全く入国できない期間が長く続く中で、その思いが一層強くなったんです。それで思い切って就職活動をしてニュージーランドの航空会社に採用されました。ニュージーランドらしいホスピタリティーなど学ぶことが多く同僚も良い人たちでやりがいのある職場でした。

ただ、シフトワークで家庭との兼ね合い、特に子育てとの兼ね合いが難しく、再び就活をして、今はニュージーランドの国家公務員として働いています。とてもフレキシブルで働きやすい環境なので、時間を減らしてですが留学の仕事も継続できますし、ラジオも続けることが出来ています。

Q. ラジオ局のお仕事の他に、バイリンガル育児についてのYouTubeチャンネルや現地留学エージェントも立ち上げるなど、さまざまな活動をされていますが、普段のお仕事や生活で心掛けていることや、これからチャレンジしていきたいことなどはありますか?

留学会社を立ち上げて約10年。コロナなど厳しい状況もありましたが、中高生から大人まで様々な年齢の留学生、ワーホリの方などサポートしながら私も多くを学んでいます。これからもまだまだ新しい事に挑戦し続けていきたいです。

ここ最近の挑戦はYouTube動画制作です。「ニュージーランドへ行こう!」というNZ留学や文化の違いなどを取り上げたチャンネルと、「りあむチャンネル」という息子のバイリンガル育児などのチャンネルの2つを運営しています。
動画は編集するのに時間がかかりますが楽しく、新しい挑戦を楽しんでいます。

【さいごに】ニュージーランドで働きたい・起業したいと考えている方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

現地就職をするにはまず書類を出さないと始まらないので基本的なところですがCVやカバーレターを納得いくまで編集する、面接に呼ばれたら想定される質問を事前にしっかりと考えておくなどの対策は大切です。

また就職してからは、毎日新しい人に話しかける、社外でもカンファレンスなどで「話しかけられるのを待っているのではなく自分から話しかける」など常にもう一歩踏み出すことを意識していったことが、その後の大きな助けになったように感じます。


晝間尚子 さん
晝間 尚子 さん

大学のマスコミ学科で勉強中に一年間休学しニュージーランドへ。気さくなニュージーランド人や働き方、教育観に感銘を受け、将来はここで留学会社を起業し、子育てしたいと目標が見える。
日本へ帰国後にNZ移住に向けて英語勉強を続けながらWebデザイナー、空港勤務などを経て6年後にニュージーランドへ再渡航、現地ラジオ局にプロデューサーとして就職。
NZ永住権取得後、現地留学サポート会社「クオリティーニュージーランド」を立ち上げる。中学、高校、大学留学から大人の語学学校留学まで日々密接に関わりながらラジオ番組も続けている。NZ現地情報を日本のラジオでレポーターとして伝える他、SNSでも発信。

■ Web:『クオリティーニュージーランド
■ YouTube: 『ニュージーランドへ行こう!』『リアムちゃんねる
■ twitter:naokonz
■ facebook:jdunz

取材・編集 GekkanNZ
2023年2月号掲載