映画『Suzume(邦題「すずめの戸締まり」)』の試写会に行ってきました!

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こんにちは、GekkanNZスタッフのまりも&クロイトリです!

Sony Picturesさんから招待いただき、映画「Suzume」(2023年4月13日NZにて劇場公開)のメディア試写会に行ってきました!Sony Picturesさんありがとうございます!

Spoilerにならないように気を付けつつ、観る前、観た後の二度楽しめるような映画レポを書きたいと思います!

普段、多国籍社会のニュージーランドで暮らしていて、他のルーツを持つ人々と隣り合わせになることで自分は日本人だな〜と感じることも多いのですが、今回の試写会は日本語音声で英語サブタイトルで舞台が日本の映画を、ニュージーランドという地で日本人として鑑賞…という状況でしたので、じっくりこの映画を味わってこなければ!と思い、張り切って臨みました。

コロナ以降、めったに映画館に足を運ばなくなった人も多いかもしれませんね。ワクワクしながら久しぶりの映画館に入ると、会場ではアイスクリームやジュース、さらにビールなども配られていて、みんなアイスクリームを片手にビールを飲んでいます。アイスとビールという異色の組み合わせは、この国ならでは?!ちなみに我々は映画に集中したいので途中でトイレに立ちたくなく、ビールはパス。

ゆったりとした椅子、大画面にポップコーン、これぞ映画館という雰囲気に、始まる前から心が弾みます。日本語Tシャツを着てenjoyしながら盛り上がろう!というひともいて雰囲気を楽しみつつ、招待してくれたスタッフさんに挨拶したりして、ミネラルウォーターとポップコーンをつまみ開演を待ちます。会場はかなりリラックスしたムード。

最初はスパイダーマンバース続編のトレイラー。さすがSonyプレゼンツですね!こちらも楽しみです。そして、いよいよ上演です!「Suzume」本編が始まりました!

あまり書くとネタバレになってしまいますが…ここで少し映画の内容について。

映画が始まると、まず驚くのはその映像の美しさ。広告にもなっている、あの水たまりの上に浮かぶ白い扉の風景などは、まるでダリの絵画のようなぞくっとする不気味さと美しさを兼ね備えています。

主人公の女の子は、クセがあまりなく感情移入することができます。普通に暮らしていた女子高生が、ある青年との出会いをきっかけに日本各地を旅する、という冒険物語です。行く先々で出会う人々との出会いや、主人公鈴芽の成長していく姿が、美しい映像で描かれています。トレイラーにも出てくるこの青年、予想外の形で実際すごくいい味出してくれます◎

旅の道中、日本の風景が美しく描き出されます。日本人、いえ、日本に住んだことのあるすべての人は、この映画に出てくる風景すべてにノスタルジーを感じるはず。主人公が旅する先々で目にする、地方の豊かな山々や海、そこにあるガードレールや電柱、さびれた田舎の廃墟、東京のビル街、都会の駅前の混雑を、私たちも主人公の目を通してみることができるわけです。ニュージーランド在住者のみなさんが郷愁にかられることは間違いないのではないでしょうか。

そして、新海誠監督の映画はとにかく空の描写が壮大でキレイですよね。今回もたっぷりと、視界でスカイダイビングするように大画面で美しい空を存分に味わうことができました。

ニュージーランドで日本コンテンツを見ていて、ちょっとだけ心配になるセクシズムな要素ですが、薄めと言って良いでしょう! 試写会前に少し予習として新海映画のおさらいをしてみましたが、「君の名は」「天気の子」であったような少しドキッとする描写は、「Suzume」にはあまりありません、おさえめです。「Rating:PG」の通り、お子様は大人と一緒に観て感想を言い合い、大人からの見解も聞いておくとよいでしょう。10歳以上など、ちょっと大きめのお子様の年齢から上のほうがより映画をしっかり味わって楽しめるかな?と思いました。

また、日本アニメの様々なオマージュのようなものが散りばめられています。これは日本のアニメファン、そして海外アニメファンへのファンサービスでもあるのでしょうか?

新海映画では自然現象がテーマに入ってくることが多いかと思いますが、自然災害やその被害などが苦手な方は少し注意したほうが良いかもしれません。しかし、人知を超えた災害と、当たり前の日常を壊されてそれに向かい合わざるを得なくなってしまった人々という構造は、自然災害の多い日本在住者はもちろん、昨今異常気象による災害を経験したニュージーランド在住者にも、共感するところが多いのではないでしょうか。

さて、会場の様子に戻ります。実は私たち二人、今回の映画に出てくる容姿端麗な泣きぼくろの彼のような、日本のキャラクターによくいる耽美な男性像というのがレスミルズ発祥の地ニュージーランド社会ではどう受け止められるのか?が少々気になっていました…! が、観ているうちに会場は物語にどんどん引き込まれ、そういった外側の部分はあまり問題ではないのかな…?と思いました。やはり大事なのはそのひとが何を頑張り通すかであって、姿は関係ないかもなと思わさせられる成り行きです!

会場に集まった方々は日本文化に興味がある方々なのか、セリフの笑いどころに都度都度笑い声が響いたりと、とっても楽しんでくれている様子でした(なぜかHost側のような気持ちになります)。その姿を見て思いましたが、日本人はもしかしたらアニメにおける笑いの沸点が高めになってしまっているかもしれません。

英語訳も周りと一緒に同時に楽しめるのも外国で日本映画を見る楽しさかもしれません。「このセリフは日本語ではもう少しsweetな気がするな〜」と思ったり、「この日本語って英語ではこう言うんだ!?」「こういう言い回しをするのか!」といろいろ発見もありました。

とっても楽しい試写会も、最後は感動で涙する人が続出。泣く覚悟をしてご来場ください。正直、どのような立場だとしても、日本人としては胸に迫るものがあるでしょう。会場を訪れた人々もシンとして引き込まれていました。

が、エンドロールが始まるや「I like it!」と言いつつ早々に席を立つ人々。

キーウィは映画が終わると席を立つのが早いですね…。

家族で映画館に行ったりなんかすると、マーベル映画などでは特典映像が最後にあったりするので「せっかく映画館で観てるんだし!」と粘って座っていますが、スクリーンの前には私たちだけになります。会場の係員さんが掃除とかし始めます。

こんなかんじで試写会は終わり、会場を後にした後も出席者さんたちはまだ興奮冷めやらぬ様子で感想を言い合っていました!

私たちGekkanNZスタッフの感想まとめとしましては、

「日本がすごく美しい映像で描かれていて懐かしい、新海映画の煌びやかな空の描写がキレイ!」

「主人公たちの一途さや心の痛みと再生の物語が感動させてくれる」

「さまざまな日本アニメのオマージュが詰まっている、あの映画とあの映画とあの映画…?」

というかんじです!

公開はいよいよ明日4月13日から!

ぜひぜひ、Theatreに足を運んで楽しんでみてくださいね!

そして、観た後はもう一度このエントリーを読んでみてください❤︎

ではでは! まりも&クロイトリ