ニュージーランドから日本の大学を受験した子を持つ親の個人的体験談

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こんにちは、GekkanNZスタッフのクッキーです。
今回は息子が日本の大学を受験したのでその体験談です。

「日本からインターナショナルスチューデントとしてニュージーランドの高校に留学し、高校を卒業した後に日本に戻り、帰国子女枠で日本の大学に入学する」というのが、おそらく最も多いパターンだと思いますが、我が家の場合はニュージーランドでドメスティックとして高校に通い日本の大学を受験するという、NZ在住者的には日本へ海外留学させるという逆パターン。

日本の大学を帰国子女枠で受験するにあたり、必要な資料などのやり取りをDean (学年主任)と行いました。

これが思った以上に面倒だったので、そのことを主にした個人的な体験談です。

おそらくインターナショナルの担当の先生であれば、こういった手続きは毎年のことなので、難なく行われるのだと思いますが、息子の担当のDeanはそもそもそういった経験がないらしく、日本人からすると当たり前な感覚が、NZからすれば???な事も多いのです。

まず、出願に必要な「成績証明書」の発行。

息子が受けた大学の帰国子女枠の受験は出願が11月の初めのため、成績証明書の発行を学校にお願いしはじめた9月の時点では、NCEAのExternal(年度末にNZ共通の外部テストがあります)すら始まっていないので、Level3の成績も半分も出ていない状況でした。

さらに、そもそも学校では取得済みのクレジット(単位)や成績などは、学校のペアレンツサイトにログインすれば見ることができますが、成績証明書というよりは成績レポートといった感じで、各教科ごとの先生からのコメントやら、宿題の提出状況、タイムマネージメント、授業態度などの評価なども含まれているもので「成績証明書」としてはボリュームが多すぎました(全10ページありました)。

ましてや3年分を提出ということだったので、Deanに色々相談したところ、NZQAのサイトにログインすれば「School Result Summary」というのがあり、ここにLevel1からの成績を含め最新の成績が載っているのでそれを自分でプリントして使って!との事。

日本では正式な書類の場合「原本」が原則。

そのことを説明し、これをプリントアウトしてDeanに一枚一枚サインしてもらい、さらにこれが学校が発行しているものではないため「このサマリーに記載されている内容は、学校での成績と相違ないです」といった一筆書いたレターをもらうことになりました。

さらに、サインを書いているときにこのサマリーの一番下に「This document is not an official transcript」なんて書いてあることが発覚。きっとここは日本の大学側に突っ込まれるであろうということで、上から打ち消しラインをし、更にそこにDeanのイニシャルを追記してくれたものがメールで送られてきました。

「これで問題ないので学校に取りに行くね。初めに伝えたけど3部必要(3校受験したので)だからお願いします!」と連絡すると「何部でも好きなだけプリントしていいわよ!そのためにPDFを送ったのだから!」との返事。

殆どのことがネットで完結できてしまうニュージーランド的には、直筆でサインもしてあるし、何の問題が???な感覚だと思いますが、日本ではプリントじゃダメなんです。これを更に日本に郵送する必要があるですということを伝えて、1サマリーにつき5ページあるので、Deanは全15ページにサインとイニシャル、その他にこれに添付するレターと、卒業予定証明書の計21枚にサインをして書類を作ってくれました。

そして、その後大学に合格した際には、

「最終的な成績証明書」
※日本の大学としてはちゃんと大学を受験できるレベルまでの成績を取得しているかどうかが重要らしい。

→これはLevel3のNCEAが終わればLevel3を含めた「New Zealand Record of Achievement」という成績証明書がNZQAのサイトにて発行されるので、有料ですがハードコピーを郵送してもらえます。直接日本にも郵送可能。

New Zealand Record of Achievement

「卒業証明書」(卒業予定証明書で提出した人のみ)
※予定じゃなくて、ちゃんと卒業出来たかどうか。成績悪くて卒業出来なかった、出席率足りなくて卒業出来なかったなどあると困るので、、、ということだったけど、NZの学校ではそもそも成績云々関係なく基本的に卒業できる。というよりも、そもそも卒業というかYear13が終わるというだけな感覚。

上記2つの書類の提出が最終入学手続きまでに必要だったため、既に息子も学校を去り、NZでは次の学年が始まっている状況なので、申し訳ないなと思いつつも同じDeanに卒業証明書のレターとサインをお願いしました。

「この前書いたわよね?また他の大学受けるの?」なDeanに「この前のは卒業 “予定” 証明書。今回は卒業したよの証明書です。日本は面倒くさくてごめんね」と説明して。

今回は私の息子の通う学校のDeanがインターナショナル部門の先生にお願いせず、自分で対応してくれたので多くの作業が発生したのかもしれません。

インターナショナルの生徒なら、学校側が独自のフォーマットで成績を1ページにまとめたものなどがあってサインするだけなのかもしれません。

日本の大学にニュージーランドの成績のシステムを説明したり、ニュージーランドの先生に日本のシステムを説明したりで、思った以上に面倒だった大学受験。

もしこれを読んでいる方で、同じ状況の方がいましたら、先に学校のインターナショナル部門に相談してみることをオススメしますが、ご参考まで!

ちなみに、出願や入学手続きなどは息子が日本で一人で行いました。
日本で郵便局なんて殆ど行ったことがなかったので、速達簡易書留?消印有効?銀行窓口は3時までなど、日本に住んでいれば大抵知っているであろう基本的な事も知らないことが多く、その辺りもNZからビデオ通話でサポートが必要だったりと、母国である日本に息子を送るだけなのに、思わぬ苦労もありました。頑張れ息子!

※個人的な体験談です。実際に日本の大学を受験する際は、日本の大学およびNZの学校に必要な手続きの内容をご確認ください。