フラットor賃貸物件 急に追い出されることもある?法律上、借主の立場は弱い?(後編)

法律上、借主の立場は弱い? LIFESTYLE
「困ったときの法律駆け込み寺」日本とは勝手が違い、戸惑うことも多いニュージーランドの法律。現役弁護士がお答えします。

2022年8月号掲載

Q. ワーホリでニュージーランド生活をスタートするのに、フラットか賃貸物件を探しています。でも大家さんの意向で、急に追い出されることもあると聞いています。法律上、借主の立場は弱いものなのでしょうか?(後編)

前月号では、近年の賃貸状況を反映させ、テナント(借主)側に適度な保護を与える法律に改正されたお話をしました。ある一定の条件でNotice(通知)を出せば、大家は理由なしに賃貸契約を解除できた住宅賃貸法が改正され、大家は契約解除の一定の根拠をテナントに提示することが必要となりました。

今月は、この改正法において、そのほかの重要な変更について3点解説します。

①賃貸料の値上げの頻度

大家の賃貸料の値上げは、賃貸契約開始後または最後の賃貸料の値上げが行われた後、12カ月間行うことができません。

②賃貸料の明確化

大家またはエージェントは、テナント募集の広告内に賃料を明確に表示する義務が課せられました。

③家の改装の可否

賃貸物件に大きな損傷を与えないマイナーチェンジに対し、基本費用はテナントの実費になりますが、大家は不合理に反対することができません。例えば、テナントから大家へ「室内の壁の色を変更したい」という要望があった場合、色の変更は家に損傷を与えないため、大家は反対することができません。ただし、ペイントの色に問題があると考える場合は、テナントが退去する際に大家は元の色に戻すことを要求できます。この変更には、賃貸物件でも「Home」という認識で継続的に住むことができる環境を作ることが意図されています。

前月号でも述べましたが、例えば大家から90日以内に3回以上、何らか(家賃の滞納や近所から苦情が来るほどの騒音など)の注意や通知を受けた場合、公式な賃貸の解約申請をされてしまう可能性があるため、一度注意を受けたことは早期の改善が必要です。

賃貸契約で発生する問題は、契約前に契約内容や約束事がきちんと共有できていないことが原因となることが多いため、テナントとしても大家としても自分の立場を守り、さまざまな問題を回避するためにも、書面で契約を交わすことが大切です*。

*¹フラットメイトについては2019年1月号掲載の当コラム第10回をご参照ください。

Junichi Nishimura
弁護士
Junichi Nishimura
西村純一

ローズバンク法律事務所代表弁護士。オークランド大学法学部を卒業し、ニュージーランドで初の日本人弁護士となる。

Rosebank Law Barrister & Solicitor
【所】Level 1, 527B Rosebank Rd., Avondale, Auckland
【Ph】09-820-0154
【営】9:00~17:00【休】土・日曜
【Web】www.rosebanklaw.co.nz


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