旬を楽しむ、ヘルシーレシピvol.12 寒さで甘みが増す冬野菜、ほうれん草

旬を楽しむ、ヘルシーレシピGOURMET

 2022年7月号掲載

 ニュージーランドでも、季節折々の旬の食材を楽しみたいもの。今だから食べたいレシピをお届けします。

寒さで甘みが増す冬野菜、ほうれん草

栄養たっぷり、根元は切りすぎないで

品種改良や栽培方法により今や一年中出回っている、ほうれん草。でも、もともとは寒さに耐えうる野菜で、そのような環境下で育ったほうれん草は自身を寒さから守るために糖度を上げます。そのため甘みが増し、さらに栄養価も高くなります。ビタミンCが豊富な葉と共に、根はミネラルやポリフェノールを含む甘みのある部分なので、ある程度残して使うことをお勧めします。

のせるだけで味のバリエーションを楽しむ

最近はサラダ・スピナッチなど生食可能な品種もありますが、本来のほうれん草はアク(シュウ酸)が強いので、さっと加熱調理しましょう。お店で選ぶ時のポイントは、葉先がピンとしていてみずみずしいもの、葉肉に厚みがあり色の濃いも
の、根元はピンク色が鮮やかなもの、茎が太すぎないものが美味しいですよ。また、下処理としてピンク色の根元部分に十字の切り込みを入れると、洗いやすく、火の通りがよくなります。

ほうれん草の定番料理『お浸し』は、ひと工夫で目先の変わったアレンジができます。王道のかつお節のトッピング以外にも、下記をご参考にバリエーションをお楽しみください。新鮮なほうれん草が手に入ったら、ぜひお試しを。

ほうれん草のお浸しバリエーション

ほうれん草のお浸しバリエーション

材料 

ほうれん草:1袋350g~400g
塩 :小さじ2
しょうゆ :小さじ3

【トッピング例】(写真上、手前から)
・オイル漬けのサン・ドライド・トマト+フェタチーズ+つぶした黒コショウ
・刻んだアンチョビ+オリーブオイル+刻みのり
・刻んだオリーブ+パルメザンチーズ
・ベーコンビッツ+刻んだクルミ
ほかにも「ツナマヨと和えて、もみのりトッピング」、「キムチ漬けと和えて、しょうゆ数滴+ゴマ油+すりゴマ」など。

作り方

❶ほうれん草をたっぷりの水の中でもみ洗いする(特に根元の土はしっかり落としてください)。
❷鍋にたっぷり湯を沸かし、塩を入れ、ほうれん草を根元から徐々に茎まで入れる。30秒ほ
どしたら葉の方も入れて、さらに20~30秒加熱する(全部で1分程度)。
❸湯を切り、すぐに冷水の中をくぐらせ、あら熱を取る(長く水に浸けるとビタミン類の栄養
素が流れてしまうので注意)。
❹根の方をそろえて持ち、全体の水気を絞り、まな板の上に広げる。しょうゆを回しかけ、な
じませたら、もう一度根元を持って全体を絞る(しょうゆ洗い)。
❺根の方から4~5cm の長さに切りそろえる。軽くほぐしながらお皿に盛りつけ、お好きな
トッピングを混ぜたりのせたりして完成。

 ひとくちメモ

しょうゆをなじませるひと手間で、全体にいき渡ったしょうゆがほうれん草の旨味を引き出
し、薄く下味がつくので(お浸しの出汁に漬け込まずに)トッピングで変化が楽しめます。

佐々木由美
佐々木由美さん
料理家

ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で10年。旬を取り入れ日本の文化・風習とともに紹介する季節のレシピは大好評。宿・ささの木(sasanoki.co.nz)も経営する。

【ブログ】japanesedinnertable.blog.fc2.com
【FB】 Japanese cuisine cooking class@wanaka