2022年5月号掲載
もう2年以上もの間、日本に行きたくても行けない事態が続いたが、やっとのことで管理隔離なしでの海外渡航が可能になり、うちのダンナの一時帰国が実現することになった。帰るとなればおみやげが必要!というわけで、ものすごく久しぶりに、純粋におみやげだけを求めて街に出てみると…。
うっかりブランクがあって忘れかけてたけど、ニュージーランドのおみやげってうまく見つけるのが難しいのだった。この国のおいしいものは、ワインやチーズやサーモン、ラム肉とかアイスクリームのように『ここで食べてこそ良さがわかるのに〜』というものがいっぱいで、そういうものは簡単に持って帰れないからもどかしいのだ。それでもまあ、少しでも気に入ってもらえて役に立つものを〜と一生懸命考えて「体にいいけど日本ではお高いのよね〜!」とありがたがられるマヌカハニー(と、それが配合されたのど飴など)を多めに買い込む。チョコレートやクッキーもニュージーランド産を探し、なんとかして「うわ〜、外国のお菓子って甘〜い!」と言われないような、ちょっといいものをキビシク選ぶようにする。この国の食べ物をいつくしんでいるわたしとしては、やっぱり「ニュージーランドにもおいしいものがあるね!」と言ってもらいたくて…それはかなりの難題だけれど、おみやげ選びの条件として譲るわけにはいかないのである。だから、ワインのような液体のガラス瓶でも、どうにか荷物に収まるものなら入れて行きたいし、チーズなんかもしっかり保冷して、根性で持ち帰ったことがある。どうせなら、自分が好きなものを久しぶりに会う人たちにも楽しんでもらいたい一心なのだ。
そんな条件の中で、わたしがけっこう重宝だと思っていたおみやげに〝ニュージーランド・ブレックファスト・ティー〟がある。これは有名な紅茶メーカーから出ている箱入りのティーバッグだし、デカデカと〝ニュージーランド〟の表記もあるし、軽いしお手頃価格で、何より〝国外にいて故郷の味を懐かしむキーウィに贈るもの〟としても人気が高かった。それで「今度もアレにしよう」と思っていたら、いつの間にかミニサイズの箱が販売終了になったらしく、どこの紅茶売り場でも見当たらなかった!え〜…これって、おみやげとしての需要が減っていたせいでこうなったのだろうか?だとしたら、今後はまた出してもらわないと困る人が多そうなのに!国境が開くのとともに復活…するのかな?
そして、ここ2年でガタッと数が減ってしまった、いわゆるおみやげ屋さんにも入ってみた…が、外国からまだ人が来ない街は閑散としていて、そういうお店の品物にもニュージーランドらしいパワー?みたいなものが感じられないのが、ますますさびしく思えたような…。もしかしたら、このところで今が一番おみやげ品にも力が入っていない時で、またこれから息を吹き返してくる?たまたまそういう時期におみやげを買いに行っちゃっただけだろうか。早く、おみやげになるいいものが見つかるようになるといいんだけれど…ハッ、それともわたしのリサーチ不足⁉ 「実は、ザ・ニュージーランドのこんないいおみやげ知ってます」という人がいたら、ぜひとも教えていただかなければ…。わたしも、もっと新しいお店でいろいろ買ったり食べたりして、おいしくて持って帰れる地元のものを探さなきゃダメみたい⁉
*Tuckerとはキーウィ独特の言葉で、「食べ物」というよりは「お腹に詰め込むもの」という意味
マツザキ リカ
ニュージーランド在住25年。クライストチャーチを拠点に暮らし、心も体も豊かにするキーウィフードの探求に余念がない。おいしいものも不思議なものも、いただきます!