オークランド地方選挙結果:ウェイン・ブラウン市長再選
2025年オークランド地方選挙の最終結果が確定した。市長選では、現職のウェイン・ブラウン(Wayne Brown)氏が180,130票を獲得し、主要対立候補のケリン・レオニ(Kerrin Leoni)氏(77,577票)を大幅に上回り二期目の当選を果たした。市議会議員には大きな変動はなく、全20人中5人が新任となった。地方委員会には全体で新たに49人が加わり、既存の123人とともに計172人がオークランドの運営にあたる。投票総数は350,677票で、有権者の投票率は29.3%と、前回(35.5%)を下回った。特別投票は1万票以上寄せられたが、そのうち有効だったのは約5,838票のみで、半数近くは申告内容の不備や登録情報の古さにより無効となった。ガバナンス部門は、過去最多の特別投票が行われたことを喜んでいる。今後、選挙手続きの検証と評価が行われ、次回選挙に向けて報告が公開される予定である。

Windows 10のサポート終了:電子機器廃棄物の適切なリサイクル呼びかけ
カウンシルは「使わなくなった電子機器は責任を持って処分を」と呼びかけている。10月14日の「国際電子機器廃棄物デー」は、Windows 10のサポート終了日でもあった。これにより今後多くのコンピューターが不要になることが予想されている。電子機器やバッテリーを通常のごみやリサイクルごみに混ぜると、収集時に損傷し発火する恐れがある。2025年初頭には収集車で9件の火災が発生し、スタッフや市民の安全を脅かした。オークランド市は今後、リチウムイオン電池火災の再実験を行い、空気や水質汚染、消火方法の効果を分析する予定だ。電子機器に含まれる希少資源を再利用するためにも、適切な処理が求められる。電子機器の処分は、Recycle A Device(RAD)による再生寄付や、TechCollect NZやNoel Leemingへの持ち込み、または地域のEcho主催の回収、地域のリサイクルセンターでの有料回収が可能である。

オークランドの緑地:国内外で高く評価
オークランドは、国内外で公園整備の優秀性を評価され、注目を集めている。トルコ・イスタンブールで開催された「世界都市公園シンポジウム2025(World Urban Parks Symposium 2025)」では、世界100件以上の候補の中から、Manurewaのトタラ公園(Tōtara Park)が「優秀大規模都市公園賞(Outstanding Large Urban Parks Award)」を、Mt Roskillのテ・アウアウンガ(Te Auaunga/Walmsley and Underwood Reserves)が「優秀新公園賞(Outstanding New Park Award)」を、さらにカウンシル自体が「優秀公園組織賞(Leading Parks Organisation Award)」を受賞した。国内では、マイヤーズ公園(Myers Park)の「ワイマハラ・プロジェクト(Waimahara project)」がデザイン賞で金賞2部門と最高賞「purple pin」を受賞した。これらの受賞は、オークランドの公園が自然保全、地域のつながり、芸術文化を融合させた多面的な空間へと進化していることを示すものである。

ウェリントン地方選挙結果:投票数過去最多
2025年ウェリントン地方選挙の最終結果が発表された。市長選ではアンドリュー・リトル(Andrew Little)氏が46,016票を獲得し、次点候補に34,522票差をつけて初回集計で当選した。現職市長のトーリー・ファナウ(Tory Whanau)氏は市長選から撤退し、代わりにマオリ地区に立候補したが、地元の強い支持を得た労働党のマシュー・レウェティ(Matthew Reweti)氏に敗れた。また、Te Whanganui-a-Tara Māori区を存続させるかを問う住民投票では、存続賛成が52,677票(68.37%)となり、継続が決定した。今回の選挙では過去30年で最多となる投票数が記録された。投票率は49.99%(81,574票)で、特別投票は5,324票中3,994票が有効と認められた。地区別ではWharangi/Onslow-Western区が56.49%で最も高かった。最終結果を受け、10月30日に市長と議員の就任式・宣誓式が行われる予定である。

2024/25年度年次報告書を採択
カウンシルは、2024/25年度の監査済み年次報告書と財務諸表を、2025年10月8日の任期最終会議で正式に採択した。報告書によると、同年度の主な成果は4億8,860万ドルの都市インフラ投資で、これは市史上最大規模の資本支出となった。主な事業には、中央図書館と市庁舎の耐震補強、水道網・公共空間・交通網の改修などがある。また、財政の持続可能性強化を重視し、2024ー34年長期計画を改訂、今後10年間で総額4億2,400万ドルの資本事業を延期または中止して災害対応基金を創設することが決定した。さらに、都市の成長方針を示す新しい地区計画(2024 District Plan)が採択され、Hutt市などの近隣自治体および地元のマオリ族グループと連携し、新たな水道事業組織の共同設立も決定された。会計上の純剰余は6,160万ドルで、当初計画の8,060万ドルを下回ったが、歳入・歳出は概ね予算内に収まった。

ウェリントンの捕食動物撲滅ミッション
2016年に全国的な生態系保全計画「Predator Free 2050」が発足し、ネズミ、イタチ、オコジョ、ポッサムなどの外来捕食動物を排除する活動が始まった。ウェリントンでは、2017年にカウンシルや地元のマオリ族Taranaki Whānui ki Te Upoko o Te Ikaなどの支援を受けてPredator Free Wellington(PFW)を設立。プロジェクトの第1段階はミラマー半島(Miramar Peninsula)で始まり、2023年には同地域が「捕食動物ゼロ」を達成した。現在はCBDまでを含む第2段階が進行中で、2030年の完了を目指している。学校、家庭、企業が一体となり、個人宅でのトラップ設置や野生動物のモニタリング、啓発活動などに参加した。これまでの取り組みで在来鳥の個体数増加や住宅被害の減少が見られ、身近にトゥイやケレルの声を聞けるようになったという。PFWでは、地域の絆が環境保全を成功させることを示した。

クライストチャーチ地方選挙結果:フィル・メイジャー市長再選
クライストチャーチ地方選挙の結果は、市長選で現職のフィル・メイジャー(Phil Mauger)氏が対立候補のサラ・テンプルトン(Sara Templeton)氏を抑え、約2万票の大差をつけて勝利、市長の座を守った。メイジャー氏の2期目へ向けての公約「負債の削減と住みやすさの維持」を市民が支持したことになる。市議会議員選では8名が再選され、新たに6名の新人議員がカウンシルに加わった。個別の選挙区では、前回無投票当選した議員が引き続き無投票で再選されたケースも。Harewood区のAaron Keown氏、Hornby区のMark Peters氏、Waimairi区のSam MacDonald氏の3名が無投票で再選されている。投票率については、前回2022年の地方選では36.66%から49.65%の範囲であったのに対し、今年は34.26%から49.56%の範囲で、大きな変化は見られなかった。議員は10月29日の初会議で宣誓し、議長と副議長が決定する予定だ。

南東中央部の交通機関のアップグレード
クライストチャーチ中心部で春の道路整備工事が始まり、今後数カ月は、特に中心部の南東地区で交通の遅れが予想される。ムーアハウス・アベニュー(Moorhouse Ave)付近では、10月13日から2カ所の交差点の安全性改善工事が実施されている。新たな横断歩道が設けられ、来年4月に開業予定の新スタジアム利用者の安全向上を図る。工期は約4週間で、交通規制が行われる。10月下旬には、テ・カハ(Te Kaha)にある「ワン・ニュージーランド・スタジアム(One New Zealand Stadium)」の外周フェンス撤去工事が始まり、周辺歩道との接続や整備が進む。アスファルト舗装や街灯、バス停、自転車スタンドの設置に伴い、一時的な車線規制が実施される予定。11月にはフィッツジェラルド・アベニュー(Fitzgerald Avenue)の地質調査およびマンチェスター・ストリート(Manchester Street)の再舗装工事が予定されている。

リンウッド・プール、メンテナンスのため1月に閉鎖
市のテ・ポウ・トエトエ・リンウッド・プール(Te Poe Toetoe Linwood Pool)は、定期的な保守・改修作業のため、2026年1月5日から約4週間休館する。再開予定は1月最終週末の予定。2月2日からはスイムスマートレッスンや各種プログラム、施設貸出も再開する。ただし、改修の期間も屋外の集会エリアやコートは利用可能だという。作業内容には、循環ポンプやフィルター、加熱装置、プールタンクの点検整備に加え、プールホール、更衣室、受付の安全・防犯機能の向上も含まれる。利用者が他の施設を利用しやすいよう、工事は夏季の屋外プールが開放されている時期に実施される。リンウッド休館中は、Waltham、Te Hāpua Halswell、Jellie Parkなどの夏季プールや、Taiora QEII、Pioneer、Graham Condon、Matatiki Hornby Centre、2025年末開業予定のParakioreなどの屋内プールを利用できる。

情報提供:Auckland City Council / Christchurch City Council / Wellington City Council

