ここが知りたい(2) 為替
投稿者: Web編集部 掲載日: 2007-2-17 (4559 回閲覧)
海外生活を送るうえで、為替レートの動きはどうしても気になるところ。毎日の変動を見て、一喜一憂している人もいるかもしれない。複雑な要素が絡み合う為替の動きを、専門家はどこに注目してみているのか。ニュージーランド、オーストラリアで為替業務を展開しているKVB Kunlun Ltdのフロントデスク担当マネージャー、井上さんにお話を伺った。(聞き手・Web編集部)
- 編集部
- 近年のニュージーランド・ドル(NZD)の動きについて教えてください。
- 井上
- NZDは、2000年11月に1ドル=42円の安値をつけた後、上昇と下落を繰り返しながら、2005年12月には1ドル=87円台まで上昇しました。その後、約5か月で20円近く下げました。市場アナリストはさらなるNZDの下落を予想し、中には2007年半ばには1ドル=50円台まで下げるという見方もありましたが、再び上昇基調に転じ、現在では1ドル=83円前後で推移しています。
- 編集部
- NZDが予想よりも高い水準にとどまっているのはなぜでしょうか。
- 井上
- ニュージーランド準備銀行(Reserve Bank of New Zealand, RBNZ)が高金利を維持したことが大きく影響しています。2006年を通して消費者物価指数(Consumer Price Index, CPI)の上昇率が、政府や準備銀行の目標の範囲を上回ったため、RBNZは公定歩合(Official Cash Rate, OCR)を7.25%のまま据え置きました。2007年に入っても国内の住宅需要が旺盛で、住宅販売価格が上昇を続けているため、RBNZはさらに金利を引き上げる可能性がある、と警告しています。こうした高金利が、NZDを「安全通貨」とみる海外投資家の認識を高め、国内への資金流入を促していると考えられます。
- 編集部
- 為替の変動をみるうえで、どういうデータに注目していますか。
- 井上
-
為替レートは世界経済に連動していますので、ニュージーランドだけを見ていても分からない部分があります。世界一の経済大国アメリカはもちろん、EU、日本、オーストラリアの重要な経済指標に注目しています。 毎月発表される貿易収支(Trade Balance)のほか、3か月ごとに発表されるOCR、CPI、失業率(Unemployment Rate)などの雇用関係統計、国内総生産(Gross Domestic Product, GDP)などですね。また、世界経済のキーパーソンの発言によっても動きますから、そうした情報にも目配りしています。当社ウェブサイトNZの経済指標 発表時期・間隔 発表機関 貿易収支 毎月(翌月下旬) 統計局(SNZ) 公定歩合(OCR) 年8回、6-7週間ごと 準備銀行(RBNZ) 国内総生産(GDP) 四半期ごと。発表は2か月遅れ 統計局(SNZ) 消費者物価指数(CPI) 四半期ごと。発表は2か月遅れ 統計局(SNZ) 雇用統計 四半期ごと。発表は2か月遅れ 統計局(SNZ)
(http://www.kvbkunlun.com/Web/japan/)でも日本語で情報提供していますので、見ていただければと思います。 - 編集部
- そのほか、ニュージーランド特有の変動要因はありますか。
- 井上
- 季節によって変動する、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私の見る限り、一概には言えません。また、エコノミストの中には、NZDは8年周期で上昇と下落を繰り返すという人もいますが、最近の動きをみていますと、そうしたサイクルもあてはまってはいないようです。むしろ、国内や海外の経済指標などの動きに左右される部分が大きいとみています。
NZDの為替相場は、重要な指標が市場の予想を裏切った場合、その直後1分ぐらいで大きく変動しますが、それからしばらく時間をかけてショックを吸収し、元の状態に戻っていく傾向があります。また、マイナス要因が長引かないように思われます。日本人とは異なるニュージーランド人の消費者心理が影響しているのかもしれません。
最近ではヨーロッパ向けのEurokiwi、日本向けのUridashiなど、海外で発行されたNZD建て国債の発行額が増え、為替レートに影響を与えるようになってきています。 - 編集部
- 日本で両替するより、ニュージーランドで両替するほうがお得なのはなぜですか。
- 井上
日本でNZDに両替される場合には、窓口となる金融機関だけでなく、複数の仲介機関を通すことになることが多く、手数料などが上乗せされてしまうため、ニュージーランドでの両替より為替レートが悪くなってしまいます。これは日本にとってNZドルがマイナー通貨だからです。日本は世界有数の経済国であり、日本円も米ドルと同じくらい世界で通用する通貨ですので、為替損、および両替手数料を節約するためにはNZドル⇔日本円への両替は、ニュージーランドで行うことをお勧めします。- 編集部
- 日本から送金するのは面倒ではないですか。
- 井上
- 当社の場合ですと、ニュージーランドの銀行に日本円の口座を開設していますので、事前にオンラインお申し込みフォームで情報を送信していただき、その口座に日本円を送金していただければ、こちらで両替できますので簡単です。日本の銀行から送金する際に、「日本円建てで送金したい」とお伝えください。詳しい手続きは当社ウェブサイト(http://www.kvbkunlun.com/Web/japan/)をご覧ください。
- 編集部
- これからNZDの両替を考えている人に、アドバイスをお願いします。
- 井上
- 最適な両替方法は、お金の使い方によって、いくつかのケースに分かれます。
ワーキングホリデー・メーカーや短期滞在、短期留学のように、比較的近い将来にお金を使う予定があり、金額がそれほど大きくない方には、為替レートの細かい変動を気にせず、一度に換金されることをおすすめします。現在は国内の銀行の預金金利がかなり高くなっていますから、細かく分けて両替して手数料がかさんでしまうより、一度にNZDに換えてしまって、金利がつく口座に預けておいた方が、為替変動分を考えてもお得な場合が多いのです。毎日為替レートを気にすることもなく、思い切り海外生活をエンジョイすることもできますし。
次に、不動産などの購入資金として、比較的大きな額を両替される場合には、手付金など当面支払わなければいけない資金はすぐに両替し、残りは時間をかけて、有利な条件のときに換金する方がよいでしょう。当社では、一定額以上の両替をご希望の方に、指定された為替レートになると自動的に両替する指値取引や、6か月先といった将来の換金レートを固定できる為替先物取引も取り扱っています。
最後に、当面ニュージーランドでお金を使う予定がなく、資産運用を目的に両替で運用益をあげたいとお考えの方で、短期での運用益を求める方には、為替レートの変動が大きいNZDとイギリス・ポンドのお取引をご紹介しています。また、外為証拠金取引もありますね。これは証拠金を預け入れることで、最大20倍までの他の通貨の取引をできる、というものです。ご自分のパソコンに専用ソフトをインストールすることで、時間を気にせずにリアルタイムで取引できます。当社でも取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。
井上京(Misha)
1979年大阪生まれ。千葉、奈良、米国ロサンゼルス育ち。1999年にオーストラリア・メルボルン大学に留学後、化粧品会社、英会話教室講師を経て、2004年にニュージーランドに渡航。同年KVB Kunlun NZ Ltdに入社。2006年にNZ Japanese Team Supervisorに昇格した。
ウェブサイト:http://www.kvbkunlun.com/Web/japan/
メール:jp@kvbkunlun.com

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