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Text: Eiko Minami Photos: Kaori Hibiya, Taka Nakazawa


2004年ニュージーランド・ミュージック・アワードで、3つの賞にノミネートされたELEMENO P(エレメノ・ピー)。デビュー2年目にして、NZ音楽界のスターとなった彼らの“熱い”素顔に迫ってみた

 
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 2002年にデビューしたELEMENO P。翌2003年には、ファースト・アルバム『Love &Disrespect』が、ヒットチャートの第1位に。2004年のニュージーランド・ミュージック・アワードでは、「ベスト・グループ」「ベスト・ロック・アルバム」「ピープルズ・チョイス」の3部門の賞にノミネートされた。デビュー以来、すべてがトントン拍子に進んできたように見えるが、ボーカルのデイブは、「浮き沈みの繰り返しだよ。うまくいったときも、全然ダメなときもあった。でも、どんなときでも、何が問題だったのか、次はどうしたらうまくできるのか、とことん話し合ってきた。そうしたら、今のELEMENO Pになった」と冷静に話す。

 デイブが初めて楽器を手にしたのは5歳の時。音楽関係の両親からトランペットを渡された。「音を鳴らしてみるのが面白くて仕方なかった」と語るデイブ。音楽店に通っては、CDを聴きまくっていた“音楽小僧”は、やがてヘビメタのとりこになる。しかし、両親の厳命により、ヘビメタはご法度に。部屋に隠れて真夜中にこっそり聴くヘビメタの重低音…、“音楽、音楽、音楽!”幾度も心の中で呪文のように繰り返した。

 「早く地元を離れて、自由に、でっかくなりたかった。気がついたら、音楽の道を歩いてたわけさ」。
 デイブは、ELEMENO Pの活動以外にも、映画やコマーシャルに出演したり、ラジオのDJを務めたり、縦横無尽の活躍ぶり。「でも、マイペースに生活してるよ。休みは絶対に大切。いつだってエンジョイするのが、ぼくらのモットーさ」。黒いサングラスの向こう側で、優しい眼が笑っている。

 デイブが、ギターのジャスティンと出会ったのは、高校時代。以来、ずっと“音楽”を追究する同志として肩を組んで歩んできた。『Love &Disrespect』の歌詞は、二人の手によって書き上げられたものだ。ジャスティンも、TVNZの音楽を制作したり、Relaxomatic Projectのベースを務めたり、デイブと同様、華々しい活動を続けている。
 ドラムでリズムを刻んでいくのは、スコッティ。バンドHoi- Polloiの全米ツアーに参加するなど、ドラマーとしての基盤を着実に培ってきた実力派だ。

 ベース担当のラーニは、ロック魂に貫かれた美人。強い魅力を全身から発散させたラーニが、ほかのメンバーに与えた影響は計り知れない。デイブいわく、「ラーニは、何に対しても“Good”に対処できる娘なんだよね。うん、すごくイケてる。彼女の口からアイデアがポンポンと飛び出してきて、試してみたら音楽が激変した、なんてことがしょっちゅうあるよ。彼女がメンバーに加わってから、ELEMENO Pの体感温度が一気に沸点に到達したような感じがするね」。

ジャスティンが続ける。「ぼくらは4人とも全然似てない。それぞれが完全に異なっていて、だから触発し合って、何倍もの面白さになるんだ」。
 4人の間で生じる激しい共鳴と反響音の果てに、ELEMENO Pのサウンドは生まれる。

 『Love & Disrespect』は、好きな女の子に向かってつぶやいた心の言葉を立体的に並べた作品だ。随筆タッチのポップな歌詞が、軽快なサウンドの中を流れていく。親近感と陶酔感で、ハートが一気に満たされてしまうような本アルバムは、ヒットチャートで堂々の1位に輝き、本年のニュージーランド・ミュージック・アワードでは、3部門にノミネートされた。惜しくも受賞は逃したが、パンクロック界のスターとして、常にスポットライトを浴びる立場になった。8月には、南島でのツアーを敢行、現在は、セカンド・アルバムのリリースに向けて、練習とレコーディングを重ねる毎日だ。


 次なるアルバムは、一体どんな内容になるのだろうか?「ぼくらの本質的なものは、ファースト・アルバムのときとまったく変わらないよ。でも、もっと斬新な内容に進化している」。デイブがクールに答える。 ファースト・アルバムでは、他楽器も採り入れ、多彩な工夫を随所に凝らして、絶妙のシンフォニーを編み出した。
 「すべて、音楽が主役なんだ。その音楽に合うなら、どんな楽器の音でも採り入れて演奏してみる。合わなければ、自分たちの音楽を探して、また歩んでいくだけだよ」。 進化と模索の旅は続く。

 デイブとジャスティンが口をそろえて言う。「ぼくらは日本が大好きなんだ。この間も、東京の原宿に行ってきたばかり。満員電車に乗って、『すみません』っていう言葉も覚えたよ。日本のミュージシャンで好きなのは、平井堅やCHEMISTRYかな。音楽活動をしていくのは、ニュージーランドだけじゃ狭すぎるだろう? 日本の音楽ファンは、とっても熱いよね。大好きな日本で、ELEMENO Pのライブツアーを展開できたら最高だと思ってるんだ」。
 待望のニュー・アルバムは来年初旬に発売予定だ。


 ここ数年間、日の出の勢いで躍進を続ける国内出身のミュージシャンたち。時代が、若者が、ニュージーランドが発信する独自の音楽を強く欲している。
 ELEMENO P。ポップ・ミュージック界の熱き潮流の中で、自らを冷静に見つめるスターたち。
「ぼくらは、自分たちのことをスターだなんて思ってない」。さらりと語るその謙虚さが、その親しみやすさが、ELEMENO Pにハマッてしまう理由の一つなのかもしれない。熱くて、クールで、気さくで、ポップ。どこまでも音楽を愛し続ける彼らのハッピーな姿は、見る者、聴く者すべてを思わずファンにしてしまうような魅惑のエッセンスに満ちている。

<プロフィール>
Dave Gibson  ボーカル/ソングライター
Justyn Pilbrow  ギター/ソングライター
Scotty Pearson  ドラム
Lani Perkis  ベース
世界的な人気バンド「Sum 41」の前座バンドを務めた後、2002年に『Nirvana』でシングルデビュー。NZの若者の間で爆発的な人気を誇り、本年のニュージーランド・ミュージック・アワードでは3部門にノミネートされる。ライブやレコーディングでは、特別ゲストとしてビック・ルンガやアニカ・モアなどが参加している。

読者プレゼント
メンバー全員の直筆サイン入りアルバム『Love & Disrespect』を1名様にプレゼント!
<応募方法>
ご希望の方は、郵送:P.O.Box 4264 Auckland、E-mail: info@gekkannz.net、FAX:09-366-7775に、住所、氏名、ELEMENO Pへのメッセージと今月号で面白かった記事とその理由を明記の上「月刊ニュージー12月号、ELEMENO P係」までお送りください。締め切りは12月15日。

 

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