ホームへ戻る GEKKAN NZ誌面最新号とバックナンバー GEKKAN NZ会社概要 売ります・買いますなどはこちら 効率良く広告を出しませんか? ニュージーランドについての質問はこちらから

自動ログイン
  
ユーザ名またはEmail:

パスワード:


パスワード紛失 新規登録
 
ブログパーツ
    
Essay/Nature Visions

Translation: Eiko Minami
タラウェラ
崩壊、そして再生 〜新たな美が今、ここに
ピンク&ホワイトテラス崩壊から、1世紀後。新たな美を司るタラウェラ湖に魅せられて(1987年撮影)

  夕食後の一家だんらんの時間。台所のテーブルいっぱいに世界地図を広げて、まだ見ぬ国を想像するのが好きだった。あれから、50年以上の歳月が経ち…。
 ある日、わたしは図書館で一冊の本を見つけた。それは、F. J. Thwaites『That was the hour』。ストーリーは、「オセアニアで生まれた美しい乙女が、運命の男に出会い恋に落ちる。ところが、彼らに天災が襲いかかってきて…」というもの。これは、ファンタジー小説だった。だが天災は、実際に起こったのだ。
 『That was the hour』―それは、"悪夢のような天災が降りかかった時間"を表現している。
 1886年6月10日、タラウェラ山が突如噴火、150人以上が犠牲となり、大地は灼熱(しゃくねつ)の黒沼と化した。『世界第8番目の謎』と呼ばれ、観光客を魅了し続けた「ピンク&ホワイトテラス」もはかなく消え去った。桜色のケイ石を優雅に敷き詰めた大階段のようだった「ピンクテラス」と、月光を浴びて神秘的に輝いた「ホワイトテラス」。したたり落ちる山水はケイ石の結晶にろ過されて湖となり、紺ぺき色に光っていた。緑色に輝く森林は、まるでグリーンストーンが風に揺れているようだった。「世界の輝石が集まった舞踏会のようだね」と言ったのは、どこの旅人だっただろうか。
 『トム・ソーヤーの冒険』を書いた作家マーク・トウェインも、かの地を訪れたことがあったという。ピンクテラスの裾野に広がる"神秘の鉱泉"に、ゆっくりと身を浸していく喜び。それは、あの偉大な作家の創造力をゆらりとほどいて、再び宙に舞い上がらせたかも知れない。だが、すべてもう昔の話だ。
 タラウェラ山が噴火して、1世紀の時が流れ過ぎた。わたしは、今や廃墟と化してしまったであろうファンタジーの王国へ足を踏み入れた。緑、山、湖。そこに広がっていたのは、生まれ変わったタラウェラ山の雄姿だった。
 時を越え、形を変えて人を癒し続ける圧倒的な美の存在。
 風に吹かれ、うっすらと少年時代に思い描いた風景が立ち昇ってくる。埋没した思い出の中に、わたしはゆっくりと身をまかせた。


旅のメモ
旅のメモ
ロトルアが有する珠玉の自然美−タラウェラ湖へは、市内から南東へ車で約20分。噴火当時の村の写真や資料、遺跡などを見学できる「テ・ワイロア埋没村」もお勧めだ。
Web: www.buriedvillage.co.nz

ロイ・シンクレア 
大手地元紙「The Press」に16年間勤務後、フリーライター、フォトグラファーとして活動。現在は、トラムの運転手としても活躍中。クライストチャーチ市在住

 

前頁へ
目次へ 次頁へ

ホーム

 



myspace

お得な円送金


ヤーコン茶...

ヤーコン茶...
価格:2,000円(税込、送料別)








オンライン状況
11 人のユーザが現在オンラインです。 (2 人のユーザが 月刊ニュージー を参照しています。)
  登録ユーザ: 0
  ・ゲスト: 11

Copyright (c) 2006-2007 That's NZ - 当サイトに掲載の記事・写真・図版について、無断転載・使用を禁じます。 | サイト利用規約