ごみ、ちゃんと分別できていますか?

ごみ、ちゃんと分別できていますか?LIFESTYLE

ニュージーランドの各地域で、リサイクルビンへの不適切なごみの捨て方が問題となっている。
地域によっては正しく捨てられていないビンには警告がなされ、回収停止の措置などがなされているが、
発火の恐れがあるごみが混入し回収トラックに火が付く事故まで発生している。
私たちはごみを適切に捨てられているだろうか。

ニュージーランドは海外からクリーンでエコな国というイメージがある。しかし実際は、OECD諸国の中でもニュージーランドは、一人当たりの埋め立て地行きのごみの最大産出国の一つだ。埋め立て地に送られたごみは決してなくならず、そこに留まるか、腐っていく。分解されるものもあるが、ほとんどのごみは、CO2よりも地球温暖化の原因となるメタンガスや有害な浸出液、ヘドロを発生させる。そのためにリサイクルごみへシフトしたいところだが、ごみ総量のうちリサイクル率はわずか28%というのが現状だ。

一般家庭レベルでも、ごみのリサイクル率を上げることはできる。リサイクルの効率を上げるために知っておきたいことを、リサイクル資源回収・処理業者リクレイム社のサステナビリティマネージャー、ドミニク・ディクソン氏に伺った。

〝混入〟がリサイクルを妨げる

「ウィッシュサイクリングという言葉を聞いたことがあるでしょう。ウィッシュサイクリングとは、消費者が、ごみがリサイクルされて別の形に再生されることを期待して、対象外のごみをリサイクルビンに捨ててしまうことです。これが〝混入〟の原因であり、問題になっています。リサイクルできないごみの〝混入〟が多いと、リサイクル工場で、人の手や視覚ロボットで仕分ける工程で多大な時間がかかり、再生品としての付加価値が下がってしまいます。リサイクルは、環境上のメリット以外にも、埋め立て地に代わるコスト効率の高い手段です。しかし、混入物の量が非常に多い場合、仕分けの時点でかかるコストが結局は相当な額になってしまうのです」

廃棄容器をきちんと洗浄しないで捨てられるケースも多い。この場合残った食品が〝混入〟物だ。においなどで処理がより不快になるだけでなく、再製造プロセスが中断されたり、汚れがひどいと埋め立て地に送られたりする。また、プラスチックにはさまざまな種類があり、違う種類が混入した場合、再生品の製造工程で機械に不具合が生じる原因となるため、再製造業者に引き取ってもらえなくなることもあり得るのだという。リサイクルには、正しい分別を徹底させることが必要だ。

リサイクルビンに捨てる時は…

・リサイクルできない部分は取り外す
・中身を完全にすすぎ流す

オークランドではペットボトルの蓋はつけたままリサイクルビンへ入れるが、ウェリントンとクライストチャーチなど他の地域では、蓋は外して一般ごみへ入れること、セントラルオタゴでは、ピザの空き箱は食べかすを取ってもリサイクルしない、などの違いがある。各カウンシルのウェブサイトを必ず確認しよう。

リサイクルできるかどうか

プラスチックごみは、リサイクルできるかできないかの判断が一番難しい品目だ。またリサイクルできるものとできないものの区別やごみの出し方は地域によって異なる。リサイクルビンに捨てられるかわからない時は、裏面などにある矢印のついた三角形の中の1~7の番号(コード)を見て、カウンシルのウェブサイトで確認するのが一番だ。多くの地域ではコード1、2、5はリサイクル可能であり、オークランドは1~7すべてがリサイクル可能だ。

リサイクル可否の地域差は、人口規模や諸条件による。リサイクルは大量の材料を一括に処理するため、人口の少ない地域に専用のリサイクル工場を開設しても、その地域からの資源ごみが商業的に実行可能な量になるまで待って稼働させることは現実的ではないのだという。

リサイクルは、ごみを削減できるとともに労力がかかるものだ。効率よく再生物へ転換できるよう、一人一人の意識が大事になっている。

「リサイクルできるはず」と間違えやすいもの

テイクアウェイの紙コップ/紙おむつ/コンポストできる製品
ティッシュやペーパータオル/プリンターのカートリッジ類/グラス類

取材・文 GekkanNZ編集部
2021年
4月号掲載