ニュージーランドでの離婚に関する法律について教えてください。(後編)

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「困ったときの法律駆け込み寺」日本とは勝手が違い、戸惑うことも多いニュージーランドの法律。現役弁護士がお答えします。

夫の不倫が許せず、離婚を考えていますが、穏便に、でも私に有利になるような形にしたいと思います。
ニュージーランドでの離婚に関する法律について教えてください。(後編)

前回は、準拠法は各夫婦で異なること、日本の家族法での離婚の仕組みについてご説明いたしました。

日本法における家族法の基本概念とは、「結婚生活を維持できなくなった責任はどちらにあるのか」を司法の場で明らかにするものです。結婚生活に支障をきたした側が離婚したい場合には、10年という期間が必要となる上、慰謝料においても割を食う形にすることで、婚姻関係の解消に歯止めをかけるという公益重視の点から法が形成されています。よく日本の芸能ニュースで泥沼離婚というスクープがありますが、離婚条件をより優位にするためには相手の落ち度を見つけなくてはいけないので、離婚調停や離婚裁判で泥沼化するのは当然なのです。このような法律の仕組みを悪用し法律の裏を掻くような方法で離婚した結果、痛ましい結末を迎えた事件もありました。

一方、ニュージーランドではNo Fault Systemという方式を採用しています。簡単に言えば日本とは真逆です。このルールは家族法だけに留まらず、他の法律でも根幹となる重要なニュージーランドの法システムの考え方の一つですので、これを機にぜひ覚えておいてください。

No Fault Systemとは、司法の場では「どちらが悪いのか、どちらに責任があるのかについての議論や判断はしない」というものです。これが、皆さまにもおなじみの「ニュージーランドでは、浮気は離婚条件を優位にするための要因にならない」という噂の根拠となる法解釈です。関係財産については複雑なルールがありますが、基本的には2年以上の別居と経済的分離を条件に誰もがどういう状況であっても離婚できます。さすが、離婚のために宗教改革にまで至らせたヘンリー8世の国、英国圏ですよね。

別居や離婚は当事者にとって困難な時期となります。感情が高ぶり、当事者が財産の確保と分割に関心を持つあまりに細かい点が見落とされ、手遅れになってしまうこともよくあります。まだ2年と考えずに、別居が決まりましたら、この離婚準備期間にできるだけ詳細な点を把握することが重要です。

共著:綾部薫平(第一東京弁護士会所属、しぶや総和法律事務所所長)
※本記事はあくまでも法律情報の提供を目的としており、法律アドバイスとして利用いただくためのものではありません。

Yuka Asari
弁護士
Yuka Asari
浅利 友香

オーストラリアでの弁護士キャリアを経て2020年にK3 Legalへ所属。
専門は会社法・商法・ 用法、主に企業担当。

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【所】83 Albert St., Auckland
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2021年10月号掲載

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