資金洗浄法の裏側 適正な不動産取引を確保するために 

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AMLという言葉を存知ですか?Anti-Money Launderingつまり資金洗浄にまつわる法律の総称ですが、このAML、NZでは刻々と進化を続けています。不動産売買は多額の資金が動く事から、資金洗浄の温床にされやすい傾向があります。2019年1月より資金洗浄法が強化され、パスポート等の写真付きIDや公的機関からの住所証明可能な請求書等、一方で逆に今まで何故無かったの?という書類のレジスターが義務化され、この作業無しには不動産売却のスタートラインにすら立てなくなりました。

2019年12月5日(金)からは、売買契約書の内容も一部改定されましたが、中でもファイナンス・コンディション、つまり購入時、資金融資が受けられる事を条件に入れる場合の法律が厳格化されました。不動産売買は、一旦契約が成立しても、コンディションが付いている間は仮契約に過ぎません。全ての条件(コンディション)をクリアして初めて契約締結となるわけです。主なコンディションには、ファイナンス、LIMレポート、ビルディング・レポート、OIAコンセント(海外投資許可)等がありますが、今回の改定では薬物テストも代表的なコンディションの1つに仲間入りをしました。

また、それまでは、ファイナンス・コンディションを付けておけば、銀行から融資を断られたと報告するだけでも、契約を破断にする事ができましたが、改定された売買契約書では、融資不可となった場合、物的証拠の提出が義務付けられています。

これにより、一旦仮契約時に入金したデポジットがバイヤーへ返金される事で、資金洗浄される事を防ぐ役割を果たすと考えられています。実際に、これまでこの方法で資金洗浄されたと思われるケースは多く、今後は適正な不動産の売買を維持するという目的も含め、デポジットが返金となる事象が発生した場合、返金を受ける全てのバイヤーは、一人一人資金洗浄法に違反が無いか調査される対象となります。

Hiroko Jenny
イェニー浩子

2016-17年ハーコーツ・セントラル・オークランド支店でセールスNo.1を記録。
現在は同社ミルフォード支店に所属し、東奔西走の日々。

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2020年1月号掲載