幼児期の食のヒント① 食べる喜びをはぐくむ 

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食生活のヒント さまざまな食文化を楽しめるニュージーランド。ヘルシーに違いを楽しむコツをご紹介。

徐々に大人と同じ食事に慣れていく幼児期の子ども。神経質になりすぎずないのがニュージーランド流のようです。

自発的な興味を大切に

小さな子どもも9カ月を過ぎるころになると、自分でさまざまなことをやりたがります。世話する側は、ひやひやしたり、片づけに手間がかることを憂うこともありますが、成長を考えると喜ばしいことです。

チャイルドケアセンターでも、子どものあふれんばかりの好奇心を大切に、食べたいという意思をまず優先します。2歳児未満のグループは、マカロニボロネーゼやミートボール、ご飯なども、手を使って一生懸命に食べようとしています。口に入れた量より床にこぼれた方が多いのではと思う場合もありますが、その辺は大目に見て、まずは食事の楽しさを体験してもらいます。全身で食べている様子は本当にかわいいものです。ご家庭では、床にビニールシート等を敷いて、その上に椅子を置くといいでしょう。


「ぶんじ(自分)やる!」の連発時代の我が息子
はりきって「いただきます!」

幼児食も気負わずシンプルに

ニュージーランド政府が推奨する幼児食の例を見ますと、ポリッジにフルーツ、パンやチーズにミックスベジタブルなど本当にシンプルです。旬の物や色鮮やかな食材を少しずつ取りそろえて、お皿の上がカラフルな虹色になるようにすると、さまざまな栄養素を摂りやすくなります。

幼児期の子どもはさまざまな食事に興味を示してきます。幼児の味覚は大人に比べて敏感です。市販品や外食といった大人の食事を通して濃い味付けを覚えていくのが現実ですが、子どもの健康的な発育を考えると、家庭では無理に味付けをせずに、薄味を心がけてあげましょう。

この時期の子どもは口の中の筋肉や歯の発達が未熟なため、大人と同じようには咀嚼(そしゃく)できませんので、食事の様子をみながらの対応が大切です。食べられなければ口から出したり~でもあまり神経質になり過ぎず~注意してください。

Kuniko Maruyama
Kuniko Maruyama
丸山 国子

チャイルドケアセンターで食事ケアに携わる。
東京の糖尿病専門病院に管理栄養士として勤務後、2015年よりNZ在住。

【Web】https://www.umamilife.net/
【Facebook】うま味ライフ

2020年9月号掲載