子どもの食事 新生児編その① 

離乳食GOURMET
食生活のヒント さまざまな食文化を楽しめるニュージーランド。ヘルシーに違いを楽しむコツをご紹介。

子どもの体質や体格、食の好みは一人ひとり違うもの。情報にまどわされず日々の変化を楽しんで。

フラれるのは当たり前、人と違って当たり前

こんにちは。現在ニュージーランドのチャイルドケアセンターで働く丸山国子です。日本の病院にて管理栄養士として勤務した後、アメリカでの子育てを経験してきました。このコラムでは、私の経験や知識を基に、子育てにおける食生活のヒントをお伝えします。

今から十数年前、ニュージーランドのように育児支援もなく、身近に相談できる人もいないアメリカの片田舎で第一子を授かった私は、インターネットや本の情報を頼りに育児に奮闘していました。おいしく栄養のある物を食べてもらいたくて、時間をかけて離乳食を作りましたが、現実はマニュアル通りにいかないことの連続。努力や自信は、小さな息子の前で粉々に打ち砕かれました。

素直な赤ちゃんは、口に合わないとか、食べたくなければ吐き出してしまいます。一方で、昨日まで見向きもしなかった物を、突如食べ出したりもするのでわからないもの。そんな一喜一憂の日々でした。

情報はあくまで平均値であり、現実はそれ以上も以下もあります。日々の変化を楽しみながら目の前のかわいい赤ちゃんを見つめ、奇想天外な食事時間が楽しいものとなりますように。

市販品や冷凍ワザをうまく活用

ニュージーランドの離乳食事情をお話ししましょう。国籍関係なく完全手作りのご家庭もありますが、日本に比べて市販の離乳食を使う頻度や割合が高いようです。味も、大人の普段の食事同様、原材料数が少なく単純明快な印象です。

異国の地での子育てをできるだけストレスなく乗り切るために、市販品を上手に取り入れてもよいでしょう。オーガニックの離乳食も一般的なスーパーで購入できます。

一回の分量が少ない赤ちゃんの食事は、手作り市販品問わず小分けにして冷凍保存すると便利です。離乳食保存用トレーや、製氷皿の各ブロックに5分目くらいまで食材を入れ、冷凍します。人参だけ、魚だけ、お粥だけと単品ずつ冷凍保存すると、その日の気分で冷凍したブロックを組み合わせ、バラエティー豊かな離乳食を簡単に作ることができます。

Kuniko Maruyama
Kuniko Maruyama
丸山 国子

チャイルドケアセンターで食事ケアに携わる。
東京の糖尿病専門病院に管理栄養士として勤務後、2015年よりNZ在住。

【Web】https://www.umamilife.net/
【Facebook】うま味ライフ

2020年7月号掲載