行事を通じて日本の心を伝える

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

2018年9月号掲載

日本語補習学校で行われるさまざまな催しを通して、子供たちは日本の文化や礼儀を学んでいます。


〝日本の心を伝える〞を教育理念とする日本語補習学校。今回は、日本の文化に親しんだり、日本人としての感覚を養っていくために行っているさまざまな学校行事の中で、入学式と運動会を紹介します。

日本的な礼儀を学ぶ

まずは、4月に行われる入学式。ニュージーランドの学校は入学式がありませんので、子どもたちは少し緊張気味の面持ちです。スーツやワンピースを着ておめかしし、入学式の大きな立て看板の前で記念撮影している光景は日本の入学式そのもの。校長先生や来賓の方々の話を聞く前に行う「起立・気をつけ・礼・着席」という一連の動作がありますが、小学1年生にはなかなか難しそうです。けれども、回数を重ねるごとにタイミングもわかってくるようになっていきます。子ども達は、はじめは緊張して座っているものの、途中からは足をぶらぶらさせたり隣の子とおしゃべりをはじめたりと長くは続きません。でも子どもたちは、補習学校生活への希望に胸をふくらませ、キラキラと顔を輝かせています。
 
12月の運動会は赤白対抗で行われ、玉入れや綱引き、障害物競走など日本の運動会でよく行われている競技を中心に、親子競技やパン食い競走など、みんなで楽しめる競技も入れています。日本の学校のように事前に十分な練習をする時間は取れませんので、入場行進でも「右・左・右・左」と足並みをそろえるのが難しく、歩いているだけになってしまっているのが正直なところです。ラジオ体操の音楽が流れると日本人の私たちは体が勝手に動くものですが、こちらで育つ子どもたちはラジオ体操の動きが新鮮なようで、おもしろがりながらも見よう見まねで体を動かしています。競技中は白熱した戦いが繰り広げられ、応援する側も顔を真っ赤にしながら「赤組、がんばれ」「ゴーゴー、白組」と一生懸命です。
 
このような学校行事は日本の礼儀やマナー、チームワークを体で学んでいく大切な機会です。普段、教室で教科書を使って勉強するよりもっと深いところで日本を感じたり、日本人としてのアイデンティティーを確立する機会になることでしょう。

オークランド 日本語補習学校
オークランド日本語補習学校

1972年11月より日本の外務省、文部科学省から認可され、在外教育施設として運営する日本語補修学校。火曜から土曜まで開校。

【所】One Tree Hill College内 421-451 Great South Rd., Penrose, Auckland
【Ph】09-526-4471
【E-mail】ajssnz@gmail.com
【Web】www.ajss.ac.nz