進学校で学ぶということ

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

留学を考える時、卒業生の存在はビジョンとなります。母校に教師として帰って来た元留学生が語る教育の意義とは。

最終回は、AICを卒業し、現在は母校で教師として働いている、アシュリー・リーという女性についてお話しします。AICは2003年にスタートした新しい学校ですが、卒業生の中から、後輩達を指導してくれる先生が誕生したことに時の流れの早さを感じます。

留学生たちを応援したい

アシュリーは韓国からの留学生として、イヤー11からニュージーランドの学校に転籍しました。当初は英語や文化の違い、思春期特有の精神的な問題などに直面していたのですが、AICでそれらを克服していったそうです。かつての自分と同じ境遇にある留学生を応援したいと考えて教師を志し、いつかは母校に戻ることを願いながら最初はオークランド市内の別の私立高校で働いていたところ、昨年、縁あってAICに教師として帰ってきました。高校時代にIBで第二外国語として日本語を履修し、日本人の友達も多かった彼女はあっという間に日本語が上達したそうで「大きな夢が一つ叶いましたよ 」と流ちょうにその経緯を話してくれました。

教育機関の存在意義

そんなアシュリーの次の目標は〝世界平和〟だそうです。ずいぶん壮大な夢ですが、教師という立場でそれを実現する道はあるのでしょうか?彼女は「ある」と断言します。「ここは世界のリーダーとなるような人材を育てることが出来る、スペシャルな場所だと思います。先輩として、教師として、そして姉として生徒と時間を共にし、世界で大きなタスクを背負う人材を育てることにより、世界平和を実現できると思います」と言うのです。立派ですね。

私は彼女が生徒だった時も覚えているので、この彼女の言葉を聞いて本当にうれしく、また頼もしく感じました。ちなみに彼女は日本で言う風紀委員長だったのですが、こんなに立派になって帰って来てくれたのです。彼女の言葉から、教育機関が存在する意義と、教育の大切さを教えられた気がしました。感謝の気持ちを持って、本コラムの筆を置きます。ありがとうございました。

Keishi Nakamura
Keishi Nakamura
中村 敬志

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)
【所】37 Heaphy St., Blockhouse Bay, Auckland
【Ph】09-921-4502(日本語直通)
【営】8:00~17:00【休】土・日曜
【Web】 www.aic.ac.nz



2019年6月号掲載