読書の先にあるものは

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

「知識」を得るだけではなく「考える力」をつけ、「言葉で表現する力」を伸ばすのが、読書。

こんにちは!約2年ぶりにお目に掛かります、中村と申します。「教育」界に携わる端くれとして、愚見を徒然と書いていきたいと思います。ご拝読いただけると幸いです。

本を読むことの励行を

本日のテーマは「読書の効用」です。みなさん、読書はお好きですか?小職、恥ずかしながら若いころは全く読書をせず、読むのはせいぜい少年ジャンプくらい…。それが50才になって軽く、読書に目覚めました。

教育と読書、やはり切っても切り離せませんね。私が勤めるAICは進学校なので、生徒はみんなよく勉強します。当校の前校長で現在は名誉校長として生徒の進路指導を手伝ってくださる先生(教育界への貢献が認められ、エリザベス女王から叙勲を受けた偉~い先生です)が、いつも生徒に口を酸っぱくして言うのが、「本を読め」です。単に「知識」を得るだけではなく、「考える力」をつけるためにも、読書は有用だそうです。当校の生徒は留学生でも高校一年生でシェイクスピアを原典で読みます。日本語でも訳が分からない古典を、英語で読むなんて。全くもって頭が下がります。

読書によって伸びる能力

AICのような国際的な環境に身を置いて感じるのは、「きちんと自分の考えを正確に(これ大切!)表現できる言語を一つ持つことが大事」ということです。日本人として生まれたのなら日本語でもいいし、ニュージーランドで育ったのなら英語でもいいと思います。それを別の言語で表現する必要があるのであれば、後は翻訳をすればいいだけの話。母語で上手に「表現」することができる子は、「翻訳」も上手にできます。この二つの能力は、実は根がつながっているのかもしれませんね。

これらの力を伸ばすのに、読書は大いに助けになると思います。先日、念願だったドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』全3巻を読破しました。ベッドで読みながら意識を失いかけたこともありましたが(笑)、達成感があります。ストーリーもさることながら、宗教書としても読み応えあり!今後は英語の本も読み切ってみたいですね。

Keishi Nakamura
Keishi Nakamura
中村 敬志

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)
【所】37 Heaphy St., Blockhouse Bay, Auckland
【Ph】09-921-4502(日本語直通)
【営】8:00~17:00【休】土・日曜
【Web】 www.aic.ac.nz



2021年5月号掲載