ケリーさんとご遺族に「心を寄せる」

■”嫌儲”発「中世ジャップランド」※)

7月13日、NZ Heraldで配信されたKiwi family’s heartbreak over son who died in psychiatric care in Japanを日本語でまとめたNZ人患者が日本で死亡、遺族が診療記録公開を訴えの記事をさらっと目にした当初、今年の2月に雪崩で亡くなられたサムさんと同じような「事故」がまた起きたのかなぐらいに思っていました。しかし、翌日からこの記事へのアクセスが急上昇し、その原因を検索をかけたり、流入先を調べてみたりして確認したところ、イギリス大手紙のガーディアンがKiwi family’s heartbreak over son who died in psychiatric care in Japanを配信、これを精神科医療の関係者によるSNSなどでの拡散や複数のニュースまとめ系サイトでも取り上げられていたことで「ニュージーランド」関連での検索も増え、そこからこの記事にも流れてきているようでした。

そして、弊社の記事では使われていませんでしたが、“medieval”という「中世」を意味するガーディアンでの記事内の言葉を様々なサイトやSNSでの投稿で使われているのを見て、これはちょっと「炎上」するかもと。

(※)匿名掲示板大手2chのニュース雑談カテゴリー「嫌儲板」に常駐している人々、「嫌儲民」によって考えられた仮想国家。第二次大戦後、経済発展は遂げたものの、他の先進国と比べて高い自殺率、精神論、サービス残業、男女不平等などの前近代的な風潮やシステムが残っている日本社会を揶揄するときに使われます。15日、ヤフーでの記事をもとに”【リア中】日本の精神病院でニュージーランド人男性が変死 母国で「中世のよう」「現代社会とは思えない」との批判”というタイトルで嫌儲板ではスレッドが立ち、他ニュース系の「板」でも取り上げられていました。

 

■不運が重なっただけではないのでは・・・

それから、ケリーさんの母マーサさんが高名な地震学者、兄パットさんもこの件に深く関わっていると記事にあったので、もしかしたらご自身でSNSから発信してるのではないかと思い、調べみたところマーサさんとパットさんだけでなく、ケリーさんのフェイスブックアカウントも発見。皆さんの投稿を過去にさかのぼって見ていったら、パットさんやマーサさんがケリーさんに向けて“loved”とよく使う意味が分かり、目頭が熱くなっていくと同時にだんだんと気分が悪くなっていきました。

 

Thanks Charmaine for this beautiful tribute to Kelly. RIP lil bro.Like you said, you were here for a good time, not a long time.

Posted by Pat Savage on Wednesday, May 24, 2017

(パットさんのフェイスブックにあげられた生前のケリーさんの写真や動画)

 

「本人はこんだけ日本語が話せて、身近にも日本人がいるし、みんなネットも扱えるんだから、こんなことになる前にググるなり何なり」という疑問がふつふつと湧きあがってきたのですが、すぐさまこれは日本社会に不慣れであった外国人に起きたアクシデントではなく、日本の精神科病院では少なからずこういったことが起きているのでないだろうかという推測が、しっかり記事を読んでいなかった私の頭によぎって、それが【続報】大和市の病院で死亡したNZ人男性(27)の遺族「長期の拘束は野蛮で中世的」で取り上げさせていただいた皆さまの投稿や記事で明らかになり、病院側の対応の遅さも合わせてかなりやばい案件と確信。

 

■「サベジさんご子息、千葉さんご子息、その残された遺族に対してどうか心を寄せてください」

予告通り、19日に厚生労働省と外国特派員協会での会見に出られたマーサさんとパットさん、そして杏林大学教授の長谷川利夫さんは、「精神科医療の身体拘束を考える会」を設立したことを発表。その日の夜、日本の大手メディアもいっせいに反応し、NZをはじめ海外でも取り上げられました。(それらは大熊由紀子さんのフェイスブックにまとめられています。)

◆◇日本を愛し、こどもたちに愛されたニュジーランド青年の死  新聞のあつかいは小さかったのですが、海外やテレビが広く報道◆ジャパンタイムズはかなりの面積とって報じました。TBSは日本の遺族を独自報道しています。抜けているものがあったらお…

Posted by 由紀子大熊 on Wednesday, July 19, 2017

 

翌日、NZのニュース番組でも取り上げられ、

"Many times we wondered if we should give up – but the thought that, if we did, other families would have to sacrifice their loved ones to Japan's broken psychiatric system was too much to bear."

Posted by 1 NEWS on Wednesday, July 19, 2017

 

世界的なオンライン署名サイトのChange.orgには「精神科医療の身体拘束を考える会」の請願がアップ。22日現在すでに1,000人以上の賛同者と数々の支援のコメントが寄せられています。

【日本語下記】I have been overwhelmed by the outpouring of love and support for Kelly from Japan and overseas. Many kind…

Posted by Pat Savage on Wednesday, July 19, 2017

 

そして、ついに厚労相も言及。

 

また、29日(土)の午後2時からウェリントンのビクトリア大学内でケリーさんの追悼会が開かれるとのことです。

If you are in Wellington next Saturday (29 July) please come help us celebrate Kelly's life at a memorial service at 2:00 PM at Victoria University's Kelburn Campus in the MacLaurin Lecture theatre.

Posted by Martha Savage on Friday, July 21, 2017

 

ケリーさんの悲劇からご遺族をはじめとする関係者の方々の尽力によって大きなうねりとなった「身体拘束」の問題。この記事をまとめるため、主に外国特派員協会の会見を繰り返し見ているのですが、アメリカ人男性がお子さんを日本で亡くされ、サベジさん家族の行動にただただ感謝を述べる場面や以前より精神科医療の問題を訴えられていた団体の存在、医薬業界の利権構造について等々、問題の根深さを痛感させられます。まずは長谷川さんが冒頭で言われていたようにより多くの方々がこの身体拘束、精神科病院の実情について関心を持ち、ケリーさんや千葉さん、またそのご遺族の方々に心を寄せられることを願うばかりです。私も「精神科医療の身体拘束を考える会」への支援、そして病院や政府側の動向についても追っていきたいと思っています。

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